Jトラストは続落もV字回復業績がサポートして12月末の株主優待制度の権利取りが続く

 Jトラスト<8508>(東2)は、前日6日に8円安の536円と3日続伸して引けた。日経平均株価が、417円安の2万1501円と3日続落し、10月30日以来、1カ月ぶりの安値をつけたことから、今年11月15日につけた年初来安値516円から底上げ途上にある同社株にも目先の利益を確定する売り物が出た。ただ下げ幅は限定的で、6月末と12月末を基準日に実施する株主優待制度の権利取りの買い物が下値に交錯した。またこの権利取りを今2019年3月期のV字回復予想がサポートし、下げ過ぎ訂正買いが上乗せとなっている。株式需給的にも、今年6月25日につけた年初来高値1006円の絶対高値期日が目前となっており、期日向かいの買い物も続いている。

■6月末、12月末を基準日に株主優待制度を実施し年間配当も12円を安定継続

 同社の株主優待制度は、同社株式300株以上を1年間保有する株主に2500ポイント分の楽天ポイントコードを贈呈する。年間配当も12円を安定継続しており、同社の株主向けの積極的な利益還元策を裏付けている。

 この株主厚遇策の背景となる今3月期通期業績は、営業収益833億7800万円(前期比9.3%増)、営業利益70億7300万円(同3.0倍)、純利益53億1800万円(前期は7億3100万円の赤字)とV字回復を予想している。今年11月13日に発表された今期第2四半期(2Q)累計業績は、今期から適用したIFRS(国際財務報告基準)第9号に伴い韓国及びモンゴル金融事業や東南アジア金融事業などでの貸倒引当金の繰入れが増加して赤字転落したが、下期は、東南アジア金融事業の債権管理部門と回収部門を融合して効率化を図り、不良債権の抑制と回収強化により貸倒引当金戻入益を計上することなどでV字回復を見込んでいる。また、今年9月26日付けでインドネシア当局から株式取得を承認されたオートローンの老舗であるPT OLYMPINDO MULTI FINANCE(JTO、Jトラストオリンピンド社)の業績は、今年10月の月次データに初めて計上されており、業績寄与が期待される。

 また総合エンターテイント事業でも、連結子会社のKey Holder<4712>(JQS)が、アミューズメント施設運営事業から撤退する一方、新規事業のカラーコンタクト事業やアイドルグループの「SKE48」事業を承継するなど積極的に取り組んでおり、展開力が強化される。

■25日線を固め期日向かいの買い物も加わってまず年初来高値調整幅の3分の1戻しへ

 株価は、今期2Q業績発表と米長期金利低下に伴う世界的な金融株安が重なって年初来安値516円へ調整、PER10倍台割れ、PBR0.3倍は売られ過ぎとして底上げ、それまで上値を抑えていた25日移動平均線を上抜きこの水準固めを続けている。年初来高値から6カ月目の完全高値期日を前に期日向かいの買い物も下値に続いており、まず年初来高値からの調整幅の3分の1戻し水準の680円を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  2. ■2024年度上半期163件で過去最多更新  人手不足による倒産が急増している。帝国データバンクの…
  3. ■新たなモビリティ社会実現に向けた取り組み加速  トヨタ自動車<7203>(東証プライム)は10月…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る