FPGは2回目の増額で株価新値街道進む、ワンストップ型のファイナンシャル事業好調

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チャート13 ワンストップ型ファイナンシャルサービスのFPG<7148>(東1)の株価は、15年9月期業績の2回目の増額修正で、株式3分割後も強い展開となっている。権利修正で年初来高値は3月31日の1380円、同安値は3月27日の1173円となっている。

 子会社(特別目的会社SPC)が運営するオペレーティング・リース事業の組成・販売・管理などを行うタックス・リース・アレンジメント事業を主力としている。さらにM&Aも積極活用して、保険仲立人事業、M&Aアドバイザリー事業、プライベートバンキング事業、不動産関連事業、証券事業、投資顧問事業、信託事業などに事業領域を広げ、ワンストップ型ファイナンシャルサービスを展開している。

 13年3月にフィンテックグローバル証券(現FPG証券)を子会社化して証券事業、13年6月に子会社FPGリアルエステートを設立して不動産関連事業、14年4月に第一投資顧問(現FPG投資顧問)を子会社化して投資顧問事業、そして14年10月にベルニナ信託(現FPG信託)を子会社化して信託事業に進出した。

 タックス・リース・アレンジメント事業は船舶・コンテナ・航空機を主対象としてリース組成し、出資金販売に伴うSPCからの手数料収入を収益柱としている。販売ネットワーク開拓を進め、14年12月末時点で1956の会計事務所および88の金融機関(地銀・証券会社)と提携している。13年11月には大手航空機リースマネジメントのアメンタム社(アイルランド)の株式25%を取得して資本業務提携し、航空機リース組成を強化した。

 12年10月の東証1部市場へ指定替えによる信用力向上、公募増資や利益積み上げによる財務体質強化、提携会計事務所・金融機関の積極開拓などで、金融機関からの資金調達力、リース事業の案件組成能力、販売提携先からの紹介を含めた出資金販売力が大幅に強化された。

 中期戦略としてM&Aも積極活用し、高収益オーナー企業や富裕層などの顧客(投資家)に対して多様な金融商品・サービスを提供するワンストップ型ファイナンシャルサービスを強化する方針だ。

 なお当社の収益構造については、顧客(投資家)がリース事業に出資するか否かの意思決定を顧客自身の業績動向が判明する決算月近くに行う傾向があるため、当社の売上高も第2四半期(1月~3月)および第4四半期(7月~9月)の構成比が高くなる傾向が強いとしている。

 3月9日、今期(15年9月期)第2四半期累計(10月~3月)および通期の連結業績見通しについて、2回目の増額修正を発表した。

 通期見通しについては前回予想(1月30日に増額修正)に対して、売上高を15億33百万円増額して前期比94.6%増の121億76百万円、営業利益を13億45百万円増額して同2.2倍の77億78百万円、経常利益を14億37百万円増額して同2.4倍の77億01百万円、純利益を9億23百万円増額して同2.4倍の47億73百万円とした。

 タックス・リース・アレンジメント事業において、オペレーティング・リース事業の案件組成が好調に推移し、出資金の販売も計画を上回る水準で推移している。修正後のタックス・リース・アレンジメント事業のリース事業組成金額は102億87百万円増額して676億09百万円、売上高は15億76百万円増額して111億14百万円とした。

 株式3分割に伴って配当は年10円34銭(期末一括)。前期の年間26円との比較で実質的に同1円67銭増配となる。

 信用力向上に伴って全国の会計事務所や金融機関からの顧客紹介が一段と増加傾向だ。15年度からの法人実効税率の段階的引き下げ期待も背景として、業績好調な顧客(投資家)からの投資需要が旺盛な状況であり、出資金の販売が好調に推移するだろう。また中期的にも、小口運用商品の販売を開始した不動産関連事業などの収益寄与本格化が期待され、ワンストップ型ファイナンシャルサービスの事業展開を加速して収益拡大基調だろう。

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