松田産業は戻り歩調、19年3月期利益横ばい予想だが保守的

 松田産業<7456>(東1)は、貴金属関連事業および農林水産品販売事業を展開している。19年3月期は利益横ばい予想だが、第2四半期累計が計画超の2桁増益だったことを考慮すれば、通期予想は保守的だろう。上振れを期待したい。配当は増配予想である。株価は10月の年初来安値から反発して戻り歩調だ。出直りを期待したい。

■貴金属リサイクルや農林水産品販売を展開

 貴金属リサイクル(貴金属事業)や産業廃棄物処理(環境事業)などの貴金属関連事業、および農林水産品を扱う食品関連事業を展開している。18年3月期の売上高構成比は貴金属関連事業63%、食品関連事業37%、営業利益構成比は貴金属関連事業70%、食品関連事業30%だった。収益面では、半導体・電子部品などエレクトロニクス業界の生産動向、貴金属および食品市況の影響を受けやすい特性がある。

 貴金属リサイクルは、半導体・電子材料部材・化成品などの貴金属製品をエレクトロニクス業界へ販売するとともに、半導体や電子部品を製造する過程で規格外となった部品(スペックアウト品)などの貴金属含有スクラップを国内外のメーカーから回収・処理・製錬することで、貴金属(金・プラチナ・パラジウムなど)をリサイクルする。

 産業廃棄物処理は、写真の感光材料からの銀の回収、廃酸や廃アルカリの無害化中間処理など、産業廃棄物の回収・処理を行っている。無害化処理技術に強みを持ち、全国47都道府県での収集運搬業許可を得ている。

 中期経営計画(16~18年度)の目標値は、19年3月期売上高2000億円、営業利益40億円としている。

■19年3月期利益横ばい予想だが保守的

 19年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比5.2%増の2000億円、営業利益が2.5%増の50億円、経常利益が1.1%増の52億円、純利益が1.2%増の35億円としている。中期計画の目標値(売上高2000億円、営業利益40億円)を達成する見込みだ。配当予想は2円増配の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)としている。予想配当性向は22.6%となる。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比9.0%増の1027億21百万円、営業利益が13.7%増の25億05百万円、経常利益が12.3%増の27億22百万円、純利益が13.1%増の18億56百万円だった。売上高、利益とも計画超で増収・2桁増益だった。

 貴金属関連事業は10.1%増収・16.9%増益だった。貴金属製品の販売価格は低下したが、貴金属製品の販売量や産業廃棄物の取扱量が増加した。食品関連事業は6.9%増収・8.3%増益だった。水産品および畜産品の販売量が増加し、水産品の販売価格上昇も寄与した。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が51.4%、営業利益が50.1%と順調である。景気動向に不透明感が強いとして通期利益横ばい予想だが、第2四半期累計が計画超の2桁増益だったことを考慮すれば、通期予想は保守的だろう。上振れを期待したい。

■株主優待制度は毎年3月末の継続1年以上保有株主が対象

 株主優待制度は毎年3月31日現在、1単元(100株)以上を継続1年以上保有する国内在住株主を対象として株主優待品を贈呈する。

■株価は戻り歩調

 株価は10月の年初来安値1370円から反発して戻り歩調だ。12月11日には1554円まで上伸した。12月12日の終値は1489円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS132円91銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は約2.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2149円11銭で算出)は約0.7倍、時価総額は約430億円である。出直りを期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  2. ■2024年度上半期163件で過去最多更新  人手不足による倒産が急増している。帝国データバンクの…
  3. ■新たなモビリティ社会実現に向けた取り組み加速  トヨタ自動車<7203>(東証プライム)は10月…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る