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巴工業は8月高値試す、19年10月期微減益予想だが保守的で上振れ余地
- 2018/12/14 08:12
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
巴工業<6309>(東1)は機械製造販売事業と化学工業製品販売事業を展開している。18年10月期は微減益予想から一転して増益での着地となり、配当も増額とした。19年10月も微減益予想だが保守的だろう。上振れ余地がありそうだ。株価は戻り高値圏だ。8月の年初来高値を試す展開を期待したい。
■機械製造販売事業と化学工業製品販売事業を展開
遠心分離機械を中心とする機械製造販売事業、合成樹脂や化学工業薬品などを中心とする化学工業製品販売事業を展開している。
18年10月期のセグメント別売上構成比は機械製造販売事業26%、化学工業製品販売事業74%、営業利益構成比は機械製造販売事業25%、化学工業製品販売事業75%だった。また地域別売上構成比は日本80%、アジア17%、その他3%だった。
収益面では、機械製造販売事業が設備投資関連のため、第2四半期(2月~4月)および第4四半期(8月~10月)の構成比が高くなりやすい特性がある。
■18年10月期は増益で着地、19年10月期微減益予想だが保守的
18年10月期の連結業績は売上高が17年10月期比3.1%増の423億58百万円、営業利益が8.2%増の23億77百万円、経常利益が5.2%増の23億35百万円、純利益が0.7%増の15億13百万円だった。微減益予想から一転して増益で着地した。配当は期末2円増額して17年10月期比2円増配の年間47円(第2四半期末22円50銭、期末24円50銭)とした。配当性向は31.0%である。
機械製造は売上高が9.1%増の111億72百万円で営業利益が12.4%増の5億93百万円だった。国内官需向け機械、部品・修理、国内民需向け全般、海外向け機械、装置・工事が伸長した。化学工業製品は売上高が1.1%増の311億86百万円で営業利益が6.8%増の17億84百万円だった。工業材料分野の自動車向けや住宅・建設用途向け材料、香港およびタイにおける販売が伸長し、製品ミックス改善も寄与した。
19年10月期の連結業績予想は、売上高が18年10月期比4.6%増の443億円、営業利益が3.3%減の23億円、経常利益が1.5%減の23億円、純利益が0.9%減の15億円としている。配当予想は18年10月期と同額の年間47円(第2四半期末23円50銭、期末23円50銭)で、予想配当性向は31.3%となる。
機械製造は売上高が5.6%増の118億円と順調だが営業利益が販管費の増加で10.7%減の5億30百万円、化学工業製品は売上高が4.2%増の325億円と順調だが営業利益が販管費の増加で0.8%減の17億70百万円としている。ただし保守的だろう。上振れ余地がありそうだ。
■株主優待制度は10月末の株主対象
株主優待制度は、毎年10月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して、ワイン(当社関連会社取扱商品)1本を贈呈する。
■株価は8月高値試す
株価は戻り高値圏だ。12月13日には2411円まで上伸した。8月の年初来高値2515円を試す展開を期待したい。12月13日の終値は2394円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS150円33銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間47円で算出)は約2.0%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2793円69銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約252億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)