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クレスコは調整一巡して出直り期待、19年3月期は9期連続増収増益予想
- 2018/12/21 06:33
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
クレスコ<4674>(東1)はビジネス系ソフトウェア開発を主力として、カーエレクトロニクス関連などの組込型ソフトウェア開発も展開している。19年3月期は受注が高水準に推移して9期連続増収増益予想である。株価は戻り高値圏から急反落の形となったが、調整一巡して出直りを期待したい。
■ビジネス系ソフトウェア開発が主力で組込型ソフトウェア開発も展開
ビジネス系ソフトウェア開発(アプリケーション開発、基盤システム構築)事業を主力として、組込型ソフトウェア開発事業、その他事業(商品・製品販売)も展開している。
18年3月期セグメント別売上高構成比は、ソフトウェア開発事業83%(金融・保険分野36%、公共・サービス分野23%、流通・その他分野24%)、組込型ソフトウェア開発事業16%(通信システム分野2%、カーエレクトロニクス分野6%、情報家電等・その他分野9%)、その他事業(商品・製品販売等)0%である。
18年1月システム開発のネクサスを子会社化、18年3月子会社メディア・マジックが商号をメクゼスに変更、18年4月子会社のアイオスとアプリケーションズを統合、18年9月アルスを子会社化、18年10月アイオスがイーテクノを子会社化した。
収益面では案件別の採算性が影響し、企業のIT投資関連のため年度末にあたる第4四半期の構成比が高くなる季節特性がある。配当に関しては、特別損益を零とした場合に算出される当期純利益の40%相当額をメドとした配当を継続的に実現することを目指している。
なお大和インベスターズ・リレーションズが選定する2018年インターネットIR表彰において優秀賞、モーニングスターが選定するGomez IRサイト総合連キング2018においてIRサイト優秀企業・銀賞を受賞した。
■中期成長に向けて先端技術への取り組み強化
中期成長に向けた重点施策として、コア事業(システム基盤、アプリケーション開発、組み込み)を組み合わせたビジネスの推進、デジタル変革をリードする先端技術(AI、Robotics、IoT)の研究・拡大、品質・生産性の徹底的追求、サービスビジネスの推進、グループシナジー強化およびM&A・アライアンスの推進、開発体制の拡充(ニアショア、オフショア、ビジネスパートナー)、積極的な情報発信(PR、IR)などを推進している。
オリジナル製品・サービスでは、IoTの「KEYAKI」、AIの「Minervae」、クラウドの「Creage」を3大ブランドと定義し、ソフトウェア開発・システム開発の需要喚起を推進している。
17年11月には、眼疾患をスクリーニングする人工知能エンジン「Minervae SCOPE」を、医療機器メーカー向けに研究用として提供開始した。17年12月には、AI型電子カルテシステムと歯科診療所向けアシスタントロボットを開発した。18年7月には、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)プラットフォーム「UiPath」を提供する米UiPathとの認定リセラー・パートナー契約締結を発表した。
■19年3月期は9期連続増収増益予想
19年3月期連結業績予想は、売上高が18年3月期比6.5%増の355億円、営業利益が6.1%増の32億80百万円、経常利益が2.5%増の35億80百万円、純利益が9.7%増の24億16百万円としている。
第2四半期累計は、売上高が前年同期比4.8%増の170億41百万円、営業利益が4.4%減の14億05百万円、経常利益が2.0%増の17億20百万円、純利益が7.0%減の10億76百万円だった。金融案件の剥落や第1四半期に発生した不採算プロジェクトの影響などで営業微減益だった。営業外収益ではデリバティブ評価益や有価証券売却益を計上した。受注高は4.0%増の174億33百万円だった。
ソフトウェア開発は2.6%増収(金融分野が14.1%減収、公共サービス分野が19.6%増収、流通・その他分野が13.1%増収)だが、メガバンク大型案件の一巡、第1四半期に発生した不採算プロジェクトの影響で13.9%減益だった。
組み込み型ソフトウェア開発は17.5%増収(通信分野が4.4%増収、カーエレクトロニクス分野が19.0%増収、情報家電・その他分野が18.7%増収)で38.7%増益だった。カーエレクトロニクス分野では主力のインフォテイメント系や表示系が好調だった。受注単価の見直し、生産性改善への取り組み、開発体制の強化も寄与して大幅増益だった。
第2四半期累計は営業微減益だったが、受注が高水準に推移して通期は9期連続増収増益予想である。第3四半期以降の挽回を期待したい。
配当予想は記念配当10円を落として年間64円(第2四半期末32円、期末32円)としている。18年3月期との比較で8円減配だが、普通配当ベースでは2円増配となる。予想配当性向は29.0%となる。
■株価は調整一巡して出直り期待
株価は12月3日の戻り高値3920円から急反落の形となり、12月20日には地合い悪も影響して2956円まで下押したが、売られ過ぎ感を強めている。調整一巡して出直りを期待したい。12月20日の終値は2971円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS220円84銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間64円で算出)は約2.2%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1379円38銭で算出)は約2.2倍、時価総額は約357億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)