【宮田修 アナウンサー神主のため息】「ら」抜き言葉について思う

宮田修

■日本の言葉は保守主義を貫いてほしい

「見れる」、「考えれる」、「食べれる」いずれも最近よく耳にする日本語です。いわゆる「ら」抜き言葉です。以前は「見られる」、「考えられる」、「食べられる」と言っていました。「ら」がないから、「ら」抜き言葉と言います。この言い方が現在急速に拡がっていると言ってよいでしょう。

「ら」抜きは正しい日本語ではない、きちんとした言い方に戻るべきだなどとNHKのアナウンサーのような言い方をするつもりはまったくありません。我われが日常的に使う言葉は時代によって変わっていくものですからそれで良いのです。言葉というものは自分の言いたいことが相手に伝わればそれで十分その機能を果たしているのです。確かに「ら」を発音しなくても言っていることは理解できます。それなら問題ないではないかと言われそうです。

しかしそんなことはありません。やはり問題があります。ここは元NHKアナウンサーに戻って申し上げたい。テレビやラジオに出て日本語を使う人は是非この言い方を避けてほしいのです。なぜ、「ら」抜き言葉を使う人が出てくるのでしょうか。それは「ら」がない方が発音しやすいからでしょう。「見られる」より「見れる」の方が発音するときにストレスがないのです。

発音してみればすぐにわかります。誰がそれを初めて発音したのかはわかりませんが、それを聞いた人が真似をします。発音するのが楽というのはとても魅力的なことなのです。そして楽な発音が少しずつ増えていきます。1対1で伝わりそして増加する分にはそれほど急速に拡がることはないでしょう。テレビやラジオでそれを耳にするとどうなるでしょうか。時として数千万人の人が同じ放送を聞いていることがあります。そしてその言い方の真似をします。

お判りいただけるでしょう。テレビやラジオは影響力が非常に大きいのです。テレビやラジオで聞いた言い方は、瞬く間に拡がってしまいます。日本語が急速に変わってしまうことになるのです。私は、言葉は時代によって変わっていくものだと言いました。確かにそうなのですが、あまりに早く変わってしまうのは如何なものかと考えます。十分に時間をかけ、多くに人たちがその言い方が適切であるかどうか吟味されながら変わっていくべきものであると私は考えています。マスコミに席を置く人たちは、言葉に関しては保守主義者になってほしいのです。それもチョー保守主義者です。よろしくお願いします。(千葉県長南町の宮司、元NHKアナウンサー)

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