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AMBITIONは売られ過ぎ感、19年6月期増収増益予想
- 2018/12/25 07:35
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
AMBITION<3300>(東マ)は、マンションサブリースと投資用マンション開発・販売を主力として、東京23区中心に不動産関連事業を展開している。成長戦略としてサブリース管理戸数を拡大するとともに、ITを活用した「不動産テック企業」を目指している。19年6月期は管理戸数の着実な伸長やマンション引き渡し戸数の増加で増収増益予想である。好業績が期待される。株価は地合い悪も影響して年初来安値に接近したが売られ過ぎ感を強めている。反発を期待したい。
■東京23区中心の不動産コミュニティーデベロッパー
東京23区中心の不動産コミュニティーデベロッパーである。マンションサブリースのプロパティマネジメント事業、および投資用マンション開発・販売のインベスト事業(17年10月子会社化したヴェリタス・インベストメント)を主力として、賃貸仲介、少額短期保険、民泊などの不動産関連事業も展開している。
18年6月期のセグメント別営業利益構成比(連結調整前)は、プロパティマネジメント事業45%、賃貸仲介事業5%、インベスト事業51%、その他マイナス1%だった。
プロパティマネジメント事業は、不動産所有者から家賃保証付きで借り上げた物件を一般消費者に賃貸するサブリース(転貸)が主力である。東京23区中心に1人暮らし・DINKS向け分譲仕様のハイクオリティ・デザイナーズマンションを対象物件としている。19年6月期第1四半期末時点の総管理戸数は前年比12.4%増の1万7578戸、このうちサブリース管理戸数は8.0%増の9631戸となった。サブリース管理物件の8割強が東京都内に分布している。入居率は1.44ポイント上昇して95.24%となり、高水準を維持している。
インベスト事業の子会社化ヴェリタス・インベストメントは、都内プレミアムエリア(目黒区、渋谷区、新宿区、港区、品川区、中央区)を中心に、新築投資用マンションの開発・販売を展開している。分譲仕様のハイクオリティ・デザイナーズマンションが特徴である。
なお収益面の特性として、入社・転勤等の転居シーズンとなる3月を含む第3四半期(1~3月)の構成比が高い季節要因があり、インベスト事業における引き渡し戸数・時期によって期間損益が変動する可能性がある。
■管理戸数拡大とIT活用による「不動産テック企業」目指す
長期ビジョンの目標に売上高1000億円、営業利益100億円(18年6月期実績売上高232億78百万円、営業利益11億41百万円)を掲げ、成長戦略としてサブリース管理戸数を拡大するとともに、ITを活用した「不動産テック企業」を目指している。
プロパティマネジメント事業は、子会社化ヴェリタス・インベストメントの開発・販売物件も含めて、物件の適正な価値評価を行いつつ管理戸数拡大を推進する。外国人の流入や法人顧客の社宅などのニーズに対応し、19年4月からの新在留資格運用に伴って外国人入居者受け入れ態勢を強化する。また外出先からでも家電操作できる最新IoT機器「VERIOT」などのサービス提供で物件差別化も推進する。
さらに顧客満足度アップ、営業強化、自社管理物件のIoT化に向けて、PCやスマホを利用した重要事項説明、サイシード社およびコムデザイン社と連携したチャットツールやAIの活用、ナビック社との資本業務提携によるWi-Fiセキュリティサービスなども推進している。
民泊関連では、近未来のIoT空間が楽しめる体験型宿泊施設「&AND HOSTEL」の展開を計画している。
M&A・アライアンス戦略では、18年4月アクセルラボとIoTサービス共同開発で合意、18年5月RPAテクノロジーズと業務提携して不動産業界の業務効率化を支援するRPA事業に参入、18年10月ビューティ関連サービスのM.I.Tホールディングスに資本参加、18年11月不動産管理会社向け募集支援・業務改善システムのGood不動産と業務提携した。12月20日には不動産向けシステム開発のPC-DOCTORSの子会社化を発表した。
■19年6月期増収増益予想
19年6月期連結業績予想は売上高が18年6月期比20.7%増の280億85百万円、営業利益が13.9%増の13億円、経常利益が7.0%増の10億88百万円、純利益が6.1%増の6億48百万円としている。管理戸数の着実な伸長やマンション引き渡し戸数の増加で増収増益予想である。配当予想は18年6月期と同額の年間16円50銭(期末一括)で、予想配当性向は17.3%となる。
第1四半期は、売上高が前年同期比90.7%増の63億20百万円、営業利益が2億72百万円(前年同期は50百万円の赤字)、経常利益が2億28百万円(同53百万円の赤字)、純利益が1億28百万円(同41百万円の赤字)だった。管理戸数が着実に伸長し、17年10月子会社化したヴェリタス・インベストメントも寄与して大幅増収となり、各利益とも黒字化した。
プロパティマネジメント事業は、売上高が18.1%増の33億17百万円で、営業利益が2.2倍の2億09百万円だった。管理戸数が着実に伸長し、入居率も高水準だった。賃貸仲介事業は競争激化で売上高が0.4%増の1億86百万円にとどまり、営業利益が17百万円の赤字だった。インベスト事業は、売上高が27億74百万円(前年同期は3億08百万円)で、営業利益が4億12百万円(同11百万円)だった。物件売却は69件増の83件だった。
第1四半期の進捗率は、通期予想に対して売上高22.5%、営業利益20.9%と低水準だが、第2四半期累計に対しては売上高51.7%、営業利益87.5%と高水準である。第3四半期の構成比が高い季節要因のため下期偏重の計画である。通期ベースでも好業績を期待したい。
■株価は売られ過ぎ感
株価(18年4月26日付で株式2分割)は12月21日に783円まで下押す場面があった。地合い悪も影響して18年2月の年初来安値720円に接近したが、売られ過ぎ感を強めている。反発を期待したい。12月21日の終値は819円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円36銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円50銭で算出)は約2.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS279円10銭で算出)は約2.9倍、時価総額は約56億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)