科研製薬が全身性強皮症などの治療剤「レナバサム」に関するライセンス契約を締結

株式市場 銘柄

◆米コーバス社から日本における独占的な販売の権利を取得

 科研製薬<4521>(東1)は1月4日朝、米CorbusPharmaceuticalsHoldings,Inc.(マサチューセッツ州、以下「コーバス社」)との間で、全身性強皮症及び皮膚筋炎治療剤「レナバサム」の日本での開発、販売に関する提携、およびライセンス契約の締結を発表した。締結日は2019年1月3日。4日前引けの株価は4940円(75円高)となり、全体相場の大幅安に逆行高となった。

 発表によると、これにより、科研製薬は日本におけるレナバサムの全身性強皮症及び皮膚筋炎に対する治療剤としての独占的な販売の権利を取得する。また、科研製薬はコーバス社に対して契約一時金を支払うとともに、開発及び販売マイルストン、並びにロイヤルティを支払うが、本件による2019年3月期の連結業績予想の変更はないとした。

 「レナバサム」は新規の低分子の経口剤で、選択的に2型カンナビノイド受容体(CannabinoidReceptor2;CB2)に結合する。CB2は、免疫細胞、線維芽細胞、筋肉細胞及び内皮系細胞において発現しており、レナバサムはCB2を介して、炎症収束作用を有するメディエーターの産生を誘導することで、免疫抑制を示さず、炎症状態を正常へと導く。また、レナバサムは線維芽細胞に直接作用し、細胞外マトリックスの産生を抑制することで、組織の線維化を抑制する。

 動物モデル及び臨床試験からのデータから、レナバサムは炎症と線維化に関わる因子を減少させることが示唆されている。これまでに実施された全身性強皮症及び皮膚筋炎を対象とした第2相試験において、レナバサムの有効性と安全性を示唆する結果が得られており、現在薬事承認を得るために必要な第3相試験が実施されている。(HC)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  2. ■2024年度上半期163件で過去最多更新  人手不足による倒産が急増している。帝国データバンクの…
  3. ■新たなモビリティ社会実現に向けた取り組み加速  トヨタ自動車<7203>(東証プライム)は10月…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る