エイトレッドは売り一巡して出直り期待、19年3月期増収増益予想で上振れ余地
- 2019/1/7 07:23
- 株式投資ニュース
エイトレッド<3969>(東マ)はワークフローを電子化する「ワークフローシステム」を開発・販売している。導入企業数・クラウド利用数が増加して19年3月期増収増益・増配予想である。そして上振れ余地がありそうだ。株価は地合い悪も影響して上場来安値を更新したが、その後は切り返しの動きを強めている。売り一巡して出直りを期待したい。
■国内ワークフローシステム市場でシェア1位
ソフトクリエイトホールディングス<3371>の連結子会社で、ワークフローを電子化する「ワークフローシステム」を開発・販売している。
ワークフローというのは、企業における稟議書、経費精算申請書、各種届け出書などの作成~申請~回覧~承認~保存~履歴管理のように、企業内における業務・事務処理手続きの一連の流れ・プロセスのことである。
このワークフローをコンピュータに組み入れて、従来の紙文書での手書き・回覧作業を、パソコン・スマホ入力で電子文書化することによって、業務負担の軽減、ペーパーレス化、回覧に要する時間の短縮、書類の紛失防止など、業務効率化・迅速化やセキュリティ向上を実現するシステムが「ワークフローシステム」である。
主力製品は、パッケージ型の小規模・中規模企業向けX-point(エクスポイント)、中規模・大規模企業向けAgileWorks(アジャイルワークス)、クラウド型の小規模企業向けX-point Cloud(エクスポイントクラウド)である。17年5月にはクラウドアプリプラットフォームのATLED Work Platformの提供を開始した。
03年X-point販売開始以来、スモールビジネスから大手企業まで2000社を超えるパッケージ製品導入実績を誇り、国内ワークフローシステム市場においてシェア1位である。
パッケージ導入企業数、クラウド利用ユーザー数とも増加基調であり、ストック型収益(サービス&サポート)比率が上昇基調である。販売面では第2位株主であるSCSK<9719>など、幅広い顧客層をカバーする大手SIとのパートナー関係を構築している。
■ワークフローシステムの市場は拡大基調
ワークフローシステムによる電子文書化を導入せず、依然として紙・手書きベースでの業務・事務処理に依存している企業が多いため、ワークフローシステムの潜在市場は大きい。また在宅勤務やテレワークといった働き方改革の推進、企業不祥事防止のための内部統制強化の流れなども背景として、ワークフローシステム市場は拡大基調が期待される。
こうした潜在市場に対応し、中期成長戦略として他社サービスとの連携も強化してクラウドビジネスの拡大を推進する方針だ。
■19年3月期増収増益・増配予想
19年3月期の非連結業績予想は、売上高が18年3月期比13.8%増の12億60百万円、営業利益が16.9%増の3億79百万円、経常利益が11.0%増の3億60百万円、純利益が7.2%増の2億39百万円としている。配当予想は66銭増配(17年12月17日付株式3分割換算後)の年間11円(第2四半期末5円50銭、期末5円50銭)としている。予想配当性向は31.3%となる。導入企業数・クラウド利用数が増加して増収増益・増配予想である。
第2四半期累計は、売上高が前年同期比25.5%増の6億61百万円、営業利益が35.2%増の2億16百万円、経常利益が35.3%増の2億17百万円、純利益が31.5%増の1億41百万円だった。パッケージソフトが22.6%増収(フロー売上が28.3%増収、ストック売上が17.1%増収)と好調に推移した。注力しているクラウドサービスも35.9%増収と大幅伸長した。
市場拡大も背景として、パッケージソフト、クラウドサービスとも大幅増収基調である。そして第2四半期累計の進捗率は売上高52.5%、営業利益57.0%と高水準だった。通期予想に上振れ余地がありそうだ。
■株主優待制度は9月末と3月末の年2回
株主優待制度は年2回、毎年9月末および3月末時点の株主を対象として、保有株式数に応じてオリジナルQuoカードを贈呈する。
■株価は売り一巡して出直り期待
株価は12月25日に872円まで下押す場面があった。地合い悪も影響して上場来安値を更新したが、その後は切り返しの動きを強めている。売り一巡して出直りを期待したい。1月4日の終値は968円、今期予想PER(会社予想のEPS35円15銭で算出)は約28倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間11円で算出)は約1.1%、前期実績PBR(前期実績のBPS212円47銭で算出)は約4.6倍、時価総額は約66億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)