【新規上場(IPO)銘柄】VALUENEXはアルゴリズム事業を展開、米国企業とのパイプライン強化に期待感高まる

株式市場 IPO 鐘

 VALUENEX<4422>(東マ)は、昨年10月30日に東京証券取引所マザーズに上場した。同社は、「世界に氾濫する情報から“知”を創造していく企業」をミッションとし、同社の創業社長である中村達夫が独自に開発したアルゴリズムを基盤にしたビッグデータの解析ツールの提供とそれを用いたコンサルティング及びレポートの販売を行っている。これらを総称してアルゴリズム事業と称している。


 アルゴリズム事業では、ASPサービスとコンサルティングサービスを提供している。ASPサービスでは、顧客に対して、同社グループが独自に開発したビッグデータ解析ツールであるテックレーダーとドックレーダーという2つの情報解析ツールを月賦課金制により提供し、収益を得ている。コンサルティングサービスでは、テックレーダーとドックレーダーを用いて、業界の技術トレンドなどの解析を通じて顧客の必要とする知見を提供し、収益を得ている。

 昨年12月12日大引け後に発表済みの今2019年7月期第1四半期業績実績は、売上高9100万円、営業損益4300万円の赤字、経常損益5800万円の赤字、最終損益5800万円の赤字に着地。ASPサービスとコンサルテルティングサービスともに売上を伸ばし、全体の売上高は前年同期に比べ約78%増加と好調に推移したが、上場に伴う一時費用等の影響で最終赤字は約1500万円膨らんだ。

 今19年7月期業績予想は、売上高6億9000万円(前期比35.9%増)、営業利益1億0700万円(同39.1%増)、経常利益1億0600万円(同38.3%増)、純利益1億2100万円(同44.7%増)を見込む。年間配当は無配を予定している。

 株価は、上場初日の昨年10月30日に公開価格1840円の2.34倍相当の4300円で初値をつけた後、同11月1日高値5250円と上昇。本年1月4日安値2159円と換金売りに押された後、上昇している。国内市場に引き続き注力するのと同時に、米国を中心とした海外に同社のASPサービスとコンサルティングサービスを展開し、グループ全体の成長を図っているが、今19年7月期第1四半期は、米国でシリコンバレーの企業から大型コンサルティング案件の受注に成功。そして、米国の有名企業(Fortune 100)でASP販売経験のある営業担当を採用し、米国企業とのパイプラインを強化、様々なデータベースと連結し、インダストリーごとのソリューションを開発しており、中長期的な視点で米連結子会社のグローバル展開に期待が高まる。例年3月に売上が集中する傾向にあり、通期業績予想は達成できる見通し。テーマ性もありここから下値を切り上げるか注目したい。(株式評論家・信濃川)

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