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朝日ラバーは調整一巡して出直り期待、19年3月期2桁営業増益予想
- 2019/1/15 07:13
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
朝日ラバー<5162>(JQ)は、シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装LED照明光源カラーキャップ、RFIDタグ用ゴム製品などを展開している。19年3月期2桁営業増益予想である。株価は地合い悪の影響で昨年来安値圏だが、調整一巡して出直りを期待したい。なお2月7日に第3四半期決算発表を予定している。
■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力
シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などの工業用ゴム事業、およびディスポーザブル用ゴム製品などの医療・衛生用ゴム事業を展開している。
自動車内装照明関連は、車載用小型電球の光源カラーキャップ「ASA COLOR LAMPCAP」や、車載用LED照明の光源カラーキャップ「ASA COLOR LED」が主力製品である。
18年3月期のセグメント別売上構成比は工業用ゴム事業84.5%、医療・衛生用ゴム事業15.5%、分野別売上構成比は車載・照明43.9%、医療・ライフサイエンス15.8%、その他39.4%である。
第12次三カ年中期経営計画「V-2計画」では経営目標値に20年3月期売上高70~80億円、営業利益率8%以上を掲げている。事業分野を車載・照明、医療・ライフサイエンス、その他(卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品など)に再編し、新たな付加価値の創造や、ゴム技術を生かした機構部品の創造を推進している。
技術開発では、RFIDタグ用ゴム製品で培った技術を活用した簡易睡眠ポリグラフ検査用着衣型ウェアラブルシステム、風車用プラズマ気流制御用電極、視認性に優れ疲労低減特性のある自動車内装照明用LEDなどの開発を推進している。
18年7月には、プラズマ気流制御電極開発事業が平成30年度福島県産総研連携再生可能エネルギー等研究開発補助事業補助金の研究テーマとして採択された。18年8月には、原案作成から参画してきた「照明器具用白色シリコーンインキ塗膜」に関するJIS規格が制定された。
■19年3月期2桁営業増益予想
19年3月期連結業績予想は、売上高が18年3月期比3.4%増の77億89百万円、営業利益が12.6%増の6億32百万円、経常利益が6.4%増の6億27百万円、純利益が0.3%増の4億61百万円としている。配当予想は18年3月期と同額の年間20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。予想配当性向は19.6%となる。
第2四半期累計は、売上高が前年同期比9.4%増の39億46百万円、営業利益が25.7%増の3億38百万円、経常利益が24.8%増の3億52百万円、純利益が29.7%増の2億37百万円だった。
工業用ゴム事業が11.3%増収・29.7%増益と牽引した。自動車関連の内装照明用「ASA COLOR LED」や精密ゴム製品、認証・認識ビジネスに対応するRFIDタグ用ゴム製品が好調だった。医療・衛生用ゴム事業は0.4%減収・16.5%減益だった。ディスポーザブル用ゴム製品のプレフィルドシリンジ(薬液充填済注射器)用ガスケットや採血用・薬液混注用ゴム栓などが堅調だったが、売上構成の変化などで減益だった。
通期のセグメント別売上高の計画は工業用ゴム事業が5.7%増の67億27百万円、医療・衛生用ゴム事業が9.1%減の10億62百万円、分野別売上高の計画は車載・照明が1.3%増の34億16百万円、医療・ライフサイエンスが9.8%減の10億73百万円、その他が11.1%増の33億円としている。
自動車関連、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品の受注が増加し、生産場所の移設完了や生産効率化の推進で利益率も改善する。営業利益率は中期計画目標値(20年3月期8%以上)を前倒しで達成する見込みだ。第2四半期累計の進捗率は売上高50.7%、営業利益53.5%と順調である。通期ベースでも好業績を期待したい。
■株価は調整一巡して出直り期待
株価は地合い悪の影響で昨年来安値圏だが、12月21日の679円から切り返している。調整一巡して出直りを期待したい。1月11日の終値は838円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS102円18銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は約2.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS958円48銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約39億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)