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ケンコーマヨネーズは調整一巡感、19年3月期減益予想だが20年3月期収益改善期待
- 2019/1/17 06:54
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ケンコーマヨネーズ<2915>(東1)はマヨネーズ・ドレッシング分野から、タマゴ加工品およびサラダ・総菜分野への事業領域拡大戦略を推進している。19年3月期減益予想だが、20年3月期の収益改善を期待したい。株価は地合い悪も影響して安値圏だが調整一巡感を強めている。反発を期待したい。なお2月8日に第3四半期決算発表を予定している。
■マヨネーズ・ドレッシング類、ロングライフサラダの大手
サラダ・総菜類、タマゴ加工品、マヨネーズ・ドレッシング類の調味料・加工食品事業、フレッシュ総菜(日配サラダ、総菜)の総菜関連事業等、その他(ショップ事業)を展開している。ロングライフサラダは業界のパイオニアとして国内1位、マヨネーズ・ドレッシング類は国内2位の市場シェアである。
18年3月期の商材別売上高構成比はサラダ類45%、タマゴ類29%、マヨネーズ・ドレッシング類24%、その他2%だった。分野別売上高構成比はCVS(コンビニエンスストア)28%、外食26%、量販店22%、パン14%、給食5%、その他6%だった。
マヨネーズ・ドレッシング分野から、タマゴ加工品およびサラダ・総菜分野への事業領域拡大戦略を推進している。ショップ事業の「Salad Cafe」は百貨店などへの展開を進めている。
収益面では、鶏卵や野菜などの原材料価格が変動要因となりやすく、プロダクトミックス、工場操業度、原燃料コストなどの影響を受ける。利益還元については連結ベースでの配当性向20%を意識し、配当の継続性に配慮しつつ、今後の成長と発展にあわせて安定配当水準を高めていくことを基本方針としている。
■事業領域拡大戦略と生産能力増強を推進
新中期経営計画「KENKO Value Action~価値の創造~」では、経営目標値に21年3月期売上高850億円、経常利益46億円率を掲げている。サラダNO.1企業として、市場ニーズに応える商品開発、事業領域の拡大などの戦略を推進する。
目標値達成に向けて生産能力増強も推進し、18年4月ダイエットクック白老が新工場(サラダ・総菜類)を稼働、18年6月関東ダイエットクック神奈川工場(サラダ・総菜類)が稼働した。また19年2月稼働で静岡富士山工場(タマゴ加工品)の増設、19年3月稼働で西日本工場(サラダ・総菜類)の増設を予定している。
■19年3月期減益予想だが、20年3月期収益改善期待
19年3月期連結業績予想(11月9日に下方修正)は、売上高が18年3月期比2.4%増の745億円、営業利益が30.0%減の29億20百万円、経常利益が27.7%減の30億円、純利益が21.1%減の22億70百万円としている。配当予想(11月9日に下方修正)は、18年3月期比7円減配の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)としている。予想配当性向は21.8%となる。
第2四半期累計は売上高が前年同期比1.0%増の374億09百万円、営業利益が32.4%減の14億56百万円、経常利益が30.8%減の15億12百万円、純利益が39.4%減の9億03百万円だった。
売上面では、ダイエットクック白老および関東ダイエットクック神奈川工場の稼働も寄与して増収を確保したが、計画比ではサラダ・総菜類が減少し、地震や台風などの自然災害も影響し、全体として計画を下回った。事業別には、調味料・加工食品事業はタマゴ加工品が増加したが、サラダ・総菜類の減少で1.3%減収だった。総菜関連事業はポテトサラダが好調に推移して14.7%増収だった。利益面では、売上高の計画未達に加えて、原材料価格の上昇、人件費の増加、新工場関連での立ち上げ費用発生や生産効率低下の影響で大幅減益だった。
通期ベースでも第2四半期累計の影響が残り減益予想とした。ただし20年3月期は新工場関連などの一時的要因が一巡し、生産効率向上効果などで収益改善を期待したい。
■株主優待制度は毎年3月末の株主対象
株主優待制度は毎年3月末日現在で1単元(100株)以上~10単元(1000株)未満所有株主に対して当社商品1000円相当、10単元以上所有株主に対して当社商品2500円相当を贈呈する。
■株価は調整一巡感
株価は地合い悪も影響して安値圏だが、12月25日の1822円から切り返して調整一巡感を強めている。反発を期待したい。1月16日の終値は2009円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS137円78銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想年間30円で算出)は約1.5%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1880円61銭で算出)は約1.1倍、時価総額は約331億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)