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【アナリスト水田雅展の銘柄診断】キーコーヒーは高値圏から一旦反落したが切り返しのタイミング
- 2015/4/3 07:10
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
レギュラーコーヒー大手キーコーヒー<2594>(東1)の株価は、99年以来の高値圏1900円台から利益確定売りや3月期末配当落ちなどで一旦反落したが、短期調整が一巡して切り返しのタイミングのようだ。16年3月期の収益改善期待で上値を試す展開だろう。99年7月の上場来高値2100円も視野に入る。
コーヒー関連事業(業務用・家庭用レギュラーコーヒーの製造・販売)を主力として、飲食事業(イタリアントマト、アマンド)も展開している。ブランド力強化、収益力強化、グループ連携強化を柱として、新商品の開発・投入、新たな事業領域の開拓を強化している。
なおイタリアントマトの14年12月末店舗数は直営74店舗、FC228店舗の合計302店舗で、海外はASEAN地域へ積極展開している。
積極的な業容拡大戦略を推進し、13年1月に銀座ルノアール<9853>を持分法適用会社化、14年2月にネット通販事業拡大に向けてコーヒー豆焙煎加工販売のhonu加藤珈琲店を子会社化した。14年9月にはイタリアの世界有数のコーヒーメーカーであるillycaffe S.p.Aと、illyブランドのレギュラーコーヒー製品全般について日本国内での独占販売契約を締結した。
前期(15年3月期)連結業績見通し(1月30日に売上高を増額、利益を減額)は売上高が前々期比4.4%増の560億円、営業利益が同56.1%減の6億80百万円、経常利益が同39.2%減の11億80百万円、純利益が同30.8%減の7億10百万円、配当予想(5月12日公表)が同1円増配の年間16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。
第3四半期累計(4月~12月)は前年同期比3.2%増収、同27.5%営業減益、同19.1%経常減益、同22.9%最終減益だった。コーヒー生豆相場の高騰や為替の円安進行に伴う原材料価格上昇で減益だった。しかし売上高は企画提案型営業強化などで好調に推移している。
四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(4月~6月)138億78百万円、第2四半期(7月~9月)136億77百万円、第3四半期(10月~12月)152億55百万円、営業利益は第1四半期4億81百万円、第2四半期2億69百万円、第3四半期5億34百万円である。
そして通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が76.4%、営業利益が188.8%、経常利益が142.1%、純利益が138.3%である。利益は通期見通しを大幅に超過達成しているため、第4四半期(1月~3月)が不需要期となることを考慮しても通期増額期待が高まっている。
今期(16年3月期)も天候やコーヒー生豆相場の動向で収益が変動しやすいが、業務用市場でのプレミアムコーヒーの拡販、14年11月に実施した家庭用レギュラーコーヒー製品(ブルーマウンテン製品除く)の値上げ浸透なども寄与して収益改善が期待される。
株主優待については、毎年3月末日および9月末日現在の100株以上所有株主に対して自社製品詰め合わせを贈呈している。100株以上~300株未満所有株主に対しては1000円相当、300株以上~1000株未満所有株主に対しては3000円相当、1000株以上所有株主に対しては5000円相当を贈呈する。
株価の動きを見ると14年9月の1700円を突破して上げ足を速め、08年5月の1846円も突破して3月18日の1935円まで急伸した。99年以来の高値圏だ。その後は利益確定売りや3月期末の配当落ちも影響して反落し、4月1日の1788円まで調整した。ただし2日は1812円まで切り返す場面があった。短期調整が一巡したようだ。
4月2日の終値1801円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS31円30銭で算出)は58倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は0.9%近辺、前々期実績PBR(前々期実績の連結BPS1541円85銭で算出)は1.2倍近辺である。
週足チャートで見ると13週移動平均線が接近してきた。目先的な過熱感も解消して切り返しのタイミングのようだ。16年3月期の収益改善期待で上値を試す展開だろう。99年7月の上場来高値2100円も視野に入る。