【編集長の視点】リオンは続落も3Q決算発表を前に連続増配期待が底流し割安株買いが再燃余地
- 2019/1/23 10:24
- 編集長の視点
リオン<6823>(東1)は、前日22日に前日比変わらずで寄り付いたあと60円安の1691円と続落して引けた。日経平均株価が、3営業日ぶりに反落し、東証第1部の売買代金が、1兆7310億円と約5カ月ぶりの薄商いとなったことから、同社株にも目先の利益を確定する売り物が続いた。ただ同社は、今年1月30日に今2019年3月期第3四半期(2018年4月~12月期、3Q)決算の発表を予定しており、下値には前期の3Q決算開示時に発表した前期配当の増配と同様に、連続増配期待を高め、割安修正買いが入っている。業績面でも今期第2四半期(2018年4月~9月期、2Q)累計業績が、期初予想を上ぶれ連続増益率を伸ばして着地しており、上ぶれ観測にもつながっている。
■前期は3Q好決算を踏まえて期末配当を増配し株主優待制度も拡充
同社の配当は、前期に3Q業績が、V字回復し3月通期予想業績に対して高利益進捗率を示したことから期末配当を期初予想の15円から20円に引き上げ年間35円(前々期実績30円)に増配し、株主優待制度も拡充させた。今期配当は、前期と横並びの35円と予想しているが、今期に入った業績推移は、第1四半期、第2四半期とも増収増益と続伸し、2Q累計業績は、前年同期比4.4%増収、5.7%営業増益、5.4%経常増益、6.4%純益増益で着地した。医療機器事業では、補聴器の高価格帯製品「リオネットシリーズ」の販売が引き続き好調に推移し、環境機器事業でも、戦略商品の微粒子計測器が、半導体関連市場で需要を伸ばしていることなどが寄与した。
今3月期通期業績は、売り上げ206億円(前期比1.2%増)、営業利益27億円(同5.0%増)、経常利益28億円(同5.6%増)、純利益20億円(同5.9%増)と連続の過去最高更新を見込んでいる。この通期予想業績に対して3Q業績がどのような進捗率を示すかによっては前期と同様の期末配当の増配も観測され、東洋経済会社四季報最新号では、年間配当を30円~35円と連続増配含みとしている。
■低PER・PBR修正で25日線を上抜きまず2000円大台奪回
株価は、前期3Q決算発表時にV字回復業績と期末配当の増配を歓迎して昨年来高値3110円まで500円超幅の急騰を演じたが、今期に入っては、業績が連続過去最高更新ベースで推移したが、市場コンセンサスにやや未達となり、さらに全般相場の再三にわたる急落も波及し、四半期決算発表のたびに下ぶれ、昨年12月25日に昨年来安値1539円へ突っ込んだ。同安値は、PBR1倍割れで売られ過ぎとして底上げ、新年に入って1800円台まで300円超高して25日移動平均線にタッチ、戻り売りが交錯した。PERは10倍台、PBRは1.06倍となお割安であり、25日線を上抜いて弾みをつけ、まず昨年来高値から同安値までの調整幅の3分の1戻しの2000円台奪回に動こう。(本紙編集長・浅妻昭治)