ラクオリア創薬は戻り歩調、疼痛と消化器管を主領域とする創薬ベンチャー
- 2019/1/29 05:38
- 株式投資ニュース
ラクオリア創薬<4579>(JQ)は疼痛と消化管疾患を主領域とする創薬ベンチャーである。19年12月期黒字化を目指している。株価は12月安値から切り返して戻り歩調だ。出直りを期待したい。
■疼痛と消化管を主領域とする創薬ベンチャー
ファイザー日本法人の中央研究所を前身として、新規開発化合物の創出を目指す創薬ベンチャーである。炎症および神経性の疼痛と、胃食道逆流症や過敏性腸症候群を代表とする消化器疾患を主な領域としている。新規開発化合物の知的財産権を製薬会社に導出(使用許諾契約によるライセンスアウト)する収益モデルである。
パイプラインは消化器疾患領域で、胃食道逆流症を適応症とするカリウムイオン競合型アシッドブロッカーP-CAB(化合物コードRQ-00000004)が米国と日本でフェーズ1終了、中国でフェーズ1実施中、胃不全麻痺・機能性胃腸症・慢性便秘を適応症とするセロトニン受容体5-HT4部分作動薬(RQ-00000010)が英国でフェーズ1終了、米国で医師主導治験実施中、下痢型過敏性腸症候群を適応症とするセロトニン受容体5-HT2B拮抗薬(RQ-00310941)が英国でフェーズ1終了、胃不全麻痺・機能性胃腸症・術後イレウスを適応症とするモチリン受容体作動薬(RQ-00201894)が前臨床終了、癌に伴う食欲不振および悪液質症候群を適応症とするグレリン受容体作動薬(RQ-00433412)が前臨床検討中、疼痛領域で神経障害性疼痛(化学療法起因性冷アロディニア)を適応症とするTRPM8遮断薬(RQ-00434739)が前臨床である。
子会社化テムリックは、癌領域に特化した創薬事業を展開している。パイプラインは、再発または難治性の急性前骨髄球性白血病(APL)を主適応症とするレチノイン酸受容体作動薬TM-411(一般名タミバロテン)である。
18年3月旭化成ファーマと新規神経障害性疼痛治療薬候補P2X7受容体拮抗薬に関するライセンス契約を締結した。18年10月中国ZTEとの合弁会社設立契約を中止した。18年11月選択的ナトリウムチャネル遮断薬(アミド誘導体)が欧州で特許査定を受けた。
18年12月には、韓国CJヘルスケアが胃食道逆流症治療薬tegoprazanについてベトナムのVimedimex社とサブライセンス契約を締結した。また導出先のアラタナ社から、EP4拮抗薬の欧州における販売時期が19年第1四半期のとなる見込みとの連絡を受けた。
■19年12月期黒字化目指す
12月27日に18年12月期利益予想を下方修正したが、中期経営計画(12月27日に修正)では、19年12月期の黒字化(売上高20億22百万円、営業利益1億88百万円、経常利益1億96百万円、純利益1億54百万円)を目指している。
■株価は戻り歩調
株価は12月25日安値785円から切り返している。戻り歩調だ。1月24日には1460円まで上伸した。出直りを期待したい。1月28日の終値は1287円、時価総額は約262億円である。