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テクマトリックスは戻り歩調、19年3月期増益・連続増配予想で3Q累計大幅増益と順調
- 2019/2/6 05:29
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
テクマトリックス<3762>(東1)は、セキュリティ関連製品販売やクラウドサービス提供などの情報サービス事業を展開し、クラウドサービスに注力している。19年3月期増収増益・連続増配予想である。第3四半期累計は大幅増益と順調だった。通期も好業績が期待される。株価は12月安値から切り返して戻り歩調だ。出直りを期待したい。
■クラウドサービスに注力
セキュリティ関連製品販売やクラウドサービス提供などの情報サービス事業を展開し、クラウドサービスに注力している。
18年3月期のセグメント別売上高構成比は、情報基盤事業(ネットワーク・セキュリティ関連ハードウェアの販売)が67%、アプリケーション・サービス事業(医療・CRM・EC・金融を重点分野とするクラウドサービス提供およびシステム受託開発)が33%、営業利益構成比は情報基盤事業が82%、アプリケーション・サービス事業が18%だった。収益面では情報サービス関連のため、年度末にあたる第4四半期の構成比が高い特性がある。
クラウドサービスでは、コンタクトセンター向け顧客情報・対応履歴一元管理CRMシステム「Fastシリーズ」や、医療情報クラウドサービス「NOBORI」などを展開している。18年3月期末の「NOBORI」契約施設数は800施設、画像保管患者数は2154万6250人、保存検査件数は1億1564万1249件だった。
連結子会社は、医療情報クラウドサービスのNOBORI、遠隔画像診断関連ITサービスの医知悟、ITシステム基盤コンサルティングのクロス・ヘッド、沖縄県内におけるIT人材教育やデータセンターサービスの沖縄クロス・ヘッド、システム開発のカサレアルの5社である。なお子会社NOBORIについては、18年4月に三井物産<8031>が出資して共同で事業展開している。
18年10月にはAIを活用した医療画像診断支援技術を提供するエルピクセルに出資した。また19年1月には沖縄クロス・ヘッドが香港企業のISL HKと協業開始した。沖縄クロス・ヘッドが運営するサービス「JPIX沖縄」を提供する。
■中期経営計画で21年3月期営業利益27億円目標
中期経営計画「GO BEYOND 3.0」では、目標数値に21年3月期売上高280億円、営業利益27億円を掲げている。セグメント別には、情報基盤事業の売上高が185億円で営業利益が17億50百万円、アプリケーション・サービス事業の売上高が95億円で営業利益が9億50百万円としている。
事業戦略としては、クラウド関連事業の戦略的・加速度的推進、セキュリティ&セイフティ(安心と安全)の推進、資本・業務提携や大学・研究機関との連携など事業運営体制の多様化、全領域におけるサービス化の加速、AI利用を含むデータの利活用、BtoC(消費者向けビジネス)への参入、海外市場での事業の加速、グループを横断した人財・技術の有効活用など事業運営基盤の強化、M&Aの活用を掲げている。
■19年3月期増益・連続増配予想で3Q累計大幅増益と順調
19年3月期連結業績予想は、売上高が18年3月期比4.2%増の245億円、営業利益が15.6%増の22億円、経常利益が5.6%増の21億70百万円、純利益が6.3%増の13億90百万円としている。配当予想は3円増配の年間23円(期末一括)としている。連続増配予想で予想配当性向は28.7%となる。
第3四半期累計は、売上高が前年同期比11.7%増の184億41百万円、営業利益が64.8%増の15億48百万円、経常利益が38.6%増の14億93百万円、純利益が39.8%増の9億55百万円だった。
情報基盤事業は14.4%増収で46.9%増益だった。負荷分散装置、セキュリティ対策製品、ストレージ製品などが好調に推移した。アプリケーション・サービス事業は6.2%増収で3.6倍増益だった。医療分野では医療情報クラウドサービス「NOBORI」の累積契約施設数が順調に増加し、合同会社医知悟も堅調だった。CRM分野では大型案件の受注が増加し、ソフトウェア品質保証分野では組込ソフトウェアの品質向上ニーズを背景に、ソフトウェアテストツールの受注が堅調だった。インターネットサービス分野は事業構造転換が進捗して損益改善傾向である。
通期も、情報基盤事業、アプリケーション・サービス事業魯も伸長して、増収増益予想である。売上高の計画は情報基盤事業が2.9%増の163億円、アプリケーション・サービス事業が6.9%増の82憶円としている。医療情報クラウドサービス「NOBORI」の契約施設数の目標は1000施設としている。
第3四半期累計の進捗率は売上高75.3%、営業利益70.4%と概ね順調である。年度末にあたる第4四半期の構成比が高い特性もあり、通期ベースでも好業績が期待される。
■株主優待制度は毎年9月末の株主対象
株主優待制度は毎年9月30日現在の500株以上保有株主を対象として実施している。
■株価は戻り歩調
18年7月発行の第1回行使価額修正条項付新株予約権(2万5000個=250万株)は、19年1月末時点の未行使個数が1万3473個=134万7300株となった。
株価は地合い悪が影響した12月25日の直近安値1565円から切り返して戻り歩調だ。2月1日には2093円まで上伸した。出直りを期待したい。2月5日の終値は1971円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS75円72銭で算出)は約26倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間23円で算出)は約1.2%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS339円40銭で算出)は約5.8倍、時価総額は約439億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)