ゼリア新薬工業の第3四半期は、昨年4月の薬価改定の影響を受け、減収減益
- 2019/2/6 07:39
- 決算発表記事情報
■主力製品である潰瘍性大腸炎治療剤「アサコール」は英国やフランスで順調に売上を拡大
ゼリア新薬工業<4559>(東1)の第3四半期は、昨年4月の薬価改定の影響を受け、減収減益となった。
医療用医薬品は、昨年4月に薬価制度の抜本改革による想定外の薬価引き下げを受けたことや、後発医薬品の使用促進など医療費抑制策が強力に推進されていることから厳しい環境といえる。また、OTC医薬品市場でも市場競争の激化が続いている。
そのような状況の中で、同社の主力製品である潰瘍性大腸炎治療剤「アサコール」は、海外においては主要マーケットである英国やフランスで順調に売上を拡大したものの、国内において、昨年4月の薬価改定や後発品、競合品の影響を受け、苦戦した。そのため、医療用医薬品事業の売上高は、240億39百万円(前年同四半期比9.8%減)となった。
コンシューマーヘルスケア事業の主力製品群である「ヘパリーゼ群」については、テレビCMなどの広告宣伝活動を積極的に展開し、製品認知度の向上に努めた結果、引き続き売上を拡大した。なお、平成30年4月にヘパリーゼWシリーズ最上位品として「ヘパリーゼWプレミアム極」を発売し、製品ラインアップを強化した。同事業の売上高は、230億52百万円(同0.8%増)であった。
以上のように、薬価改定が響き、19年3月期第3四半期連結業績は、売上高472億15百万円(前年同期比4.9%減)、営業利益30億61百万円(同33.3%減)、経常利益28億19百万円(同42.3%減)、純利益29億円(同26.7%減)となった。
通期業績予想は、前回発表の数値を据え置いている。
なお、第3四半期決算の発表と共に、自己株式の取得枠の拡大と取得期間の延長を発表した。
取得株式の総数は380万株(上限)とし、前回より180万株増加した。取得価額の総額は82億円(上限)とし、36億円増加した。取得期間は19年2月5日までとしていたが、5月10日までに延長することとなった。
なお、取得株式の総数380万株は、発行済み株式総数(自己株式を除く)に対する割合は7.55%となる。