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ヤマシタヘルスケアホールディングスは急動意で戻り試す、19年5月期減益予想だが保守的
- 2019/2/7 05:50
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ヤマシタヘルスケアホールディングス<9265>(東1)は、九州を地盤とする医療機器専門商社の純粋持株会社である。19年5月期減益予想だが、やや保守的だろう。株価は日本経済新聞電子版「手術器具を台湾で量産」との報道を好感して急動意の形となった。戻りを試す展開を期待したい。なお1月29日に立会外分売(8万株)を実施した。
■九州を地盤とする医療機器専門商社
山下医科機械が17年12月1日付で純粋持株会社ヤマシタヘルスケアホールディングスを新設して新規上場した。
山下医科器械は九州を地盤とする医療機器専門商社で、医療機器の販売・メンテナンスおよび医療材料・消耗品の販売を展開している。またイーピーメディックは整形外科用インプラントの製造販売、トムスは医療機器販売を展開している。
18年5月期のセグメント別売上構成比は、医療機器販売業99.2%、医療機器製造・販売業0.7%、医療モール事業0.1%である。
17年9月には光通信<9435>と資本業務提携している。光通信の九州地区における医科向け「EPARK」事業を共同展開するため、第三者割当による自己株式処分で山下医科機械の4万7533株を光通信に割り当てるとともに、光通信の「EPARK」事業を展開するイーディライトの第三者割当増資を引き受けた。
収益面では医療機関の設備投資関連で、第2四半期(9月~11月)および第4四半期(3月~5月)の構成比が高い特性がある。利益還元については安定的な配当の継続を基本方針とし、配当水準として連結配当性向30%を基準としている。
■中期経営計画で21年5月期経常利益6億円目標
18年7月策定の新中期経営計画では、基本方針を「継続的な収益構造の確立に向けた事業会社の構造改革、および企業買収等によるヘルスケア領域でのグループ力向上を図る」として、目標値には21年5月期売上高605億円、営業利益5億30百万円、経常利益6億円を掲げている。
医療機器販売業では、電子カルテなどの医療情報システム構築支援、合弁事業の医科向け会員ネットワーク「EPARK」の普及拡大、SPD(Supply Processing&Distribution)事業の推進・収益性向上を推進している。医療機器製造・販売業では、台湾の医療機器メーカーと協力して手術器械の単回使用化に取り組んでいる。
■19年5月期減益予想だが保守的
19年5月期連結業績予想は、売上高が18年5月期比1.5%増の595億48百万円、営業利益が17.7%減の3億07百万円、経常利益が18.9%減の3億64百万円、純利益が9.1%減の2億円としている。配当予想は18年5月期比2円減配の年間24円(期末一括)で、予想配当性向は30.0%となる。
第2四半期累計は売上高が293億87百万円、営業利益が1億61百万円、経常利益が2億02百万円、純利益が87百万円だった。前年同期の山下医科器械の連結業績(売上高276億28百万円、営業利益36百万円の赤字、経常利益13百万円の黒字、純利益19百万円の黒字)との比較で売上高が6.4%増収となり、営業利益が黒字化した。
医療機器販売業が6.3%増収(一般機器分野が12.0%増収、一般消耗品分野が2.3%増収、低侵襲治療分野が6.0%増収、専門分野が8.3%増収、情報・サービス分野が31.1%増収)と好調に推移した。
通期は診療報酬改定に伴う医療材料の販売価格引き下げ要求の高まりなどを考慮して減益予想としているが、第2四半期累計の進捗率は売上高が49.4%、営業利益が52.4%と概ね順調である。通期予想はやや保守的だろう。
■株主優待制度は5月末の株主対象
株主優待制度は毎年5月31日現在の1単元(100株)以上保有株主を対象に、保有株式数および継続保有期間に応じて、オリジナルクオカードを贈呈する。
■株価は急動意で戻り試す
株価は2月6日に1400円まで急伸する場面があった。日本経済新聞電子版「手術器具を台湾で量産」との報道を好感して急動意の形となった。戻りを試す展開を期待したい。2月6日の終値は1344円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS78円51銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間24円で算出)は約1.8%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2457円18銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約34億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)