MRTは上場後安値からジリ高、15年3月期大幅増益、次期に期待強まる
- 2015/4/6 12:07
- 株式投資ニュース
医療関連のMRT<6034>(東マ)の株価は、25日線に沿ったジリ高となっている。昨年12月に東証マザーズ市場に新規上場、上場後の高値は4685円(1月7日)、同安値は1988円(2月8日)、直近値は2358円となっている。
インターネットを活用した医師プラットフォームを提供し、医師を中心とする医療人材紹介事業を主力としている。15年3月期は売上高が前期比14.0%増の8億30百万円、営業利益が同3.0倍の1億66百万円、経常利益が同2.2倍の1億50百万円、純利益が95百万円(前期は6百万円)、1株利益50円19銭の見通し。
東京大学医学部附属病院の医師互助組織を母体としているため、医師視点のサービスや医師を中心とする医療分野の人材ネットワークが強みだ。
主要サービスは、非常勤医師を紹介する外勤紹介サービス「Gaikin」、常勤医師を紹介する転職紹介サービス「career」、医局向けサービス「ネット医局」などで、13年5月には医師紹介実績が累計50万件を突破している。
医局は教授を中心とした医師同士の相互扶助組織として存在し、各医局には数人から数百人の医師が存在している。医局は大学・診療科ごとに存在し、大学医局だけでも全国で2000以上存在している。そして医局は医師の人事業務も統制し、大学病院以外の医療機関の多くは医局の人事によって医師が供給(派遣)され運営が成り立っている。また大学病院で勤務している医師が大学病院以外で勤務することを医師間では「外勤」と呼び、医師は大学医局の指示のもとで「外勤」を行っている。
外勤紹介サービス「Gaikin」は、非常勤を希望する医師会員と医療機関との間で、インターネット技術を活用した当社の人材紹介システムを利用して、反復継続的に自動マッチングを行うサービスだ。
転職紹介サービス「career」は、常勤医師紹介専任スタッフが直接面談を行い、会員医師の要望を把握したうえで、求人側の医療機関と転職(常勤医師)希望の医師をマッチングするサービスだ。
医局向けサービス「ネット医局」は、医局管理業務を支援するグループウェアを提供している。医局管理業務の効率化を推進し、当社にとっても医局単位で医師をカバーして全国的に医師会員数を増やすことが可能となる。また「Gaikin」と「ネット医局」を組み合わせることで、市中病院への医師供給という医局機能を補完する。
国内の医師需要については、高齢化社会の進展に伴って医療ニーズが増加する一方で医師の供給不足が深刻化し、中期的に医師の売り手市場が予想されている。また医師の地域偏在という地域間格差問題が存在する一方で、医師流動化が活発になることも予想されている。このため医師紹介市場においては、インターネットの活用や、医局との関係による競争優位性の確保が重要になる。
こうした事業環境に対して、医師会員向けに提供する情報・サービスの付加価値を高めるとともに利便性も向上させて、医師と医療機関を繋ぐ強力なネットワークを構築していることが特徴だ。
そして中期成長戦略として、1都3県から全国へネットワークを展開し、全国大学医局へのサービス導入を目指している。またアライアンス戦略も活用してシェア拡大を推進するとともに、コンシューマー向けサービスなどの新規事業も検討している。
15年2月には日本最大級の税務相談ポータルサイト「税理士ドットコム」を運営する弁護士ドットコム<6027>と業務提携した。会員登録している医師や医療機関に対して「税理士ドットコム」会員登録している税理士を紹介することでサービスを拡充する。また3月には全国展開への第一歩として、東海地区に名古屋営業所を開設した。