- Home
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
- 立花エレテックは戻り歩調、19年3月期利益横ばい予想だが3Q累計順調
立花エレテックは戻り歩調、19年3月期利益横ばい予想だが3Q累計順調
- 2019/2/14 06:45
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
立花エレテック<8159>(東1)は産業用機器・電子部品などを扱う技術商社である。19年3月期は利益横ばい予想だが、第3四半期累計は増益で進捗率も順調だった。通期も好業績を期待したい。株価は12月安値から切り返して戻り歩調だ。出直りを期待したい。
■産業用機器・電子部品を扱う技術商社
産業用機器・電子部品などを扱う技術商社である。仕入先は三菱電機<6503>および三菱電機グループが合計で約7割を占め、外資系半導体メーカー、ルネサスエレクトロニクス<6723>が続いている。M&Aも積極活用して国内外で業容を拡大している。海外は子会社8社合計14拠点で、中国および東南アジアに展開している。
18年3月期のセグメント別売上高構成比は、FAシステム事業58%(FA機器38%、FAシステムソリューション9%、産業メカトロニクス4%、産業デバイスコンポーネント7%)、半導体デバイス事業(半導体、電子デバイス)31%、施設事業(空調機器、LED照明、太陽光発電システム、昇降機)8%、その他(MS事業・他)2%だった。MS(マニュファクチャリング・サービス)事業は、金属加工の製造受託(MMS)と電子機器の製造受託(EMS)を統合した事業である。海外事業売上比率は14%だった。
収益面では全体として企業の設備投資動向が影響し、第2四半期および第4四半期の構成比が高くなる季節特性もある。
■21年3月期営業利益75億円目標
技術商社の強みを活かして海外ビジネスの拡大、グループシナジーの追求、事業領域の拡大、営業力強化と体質改善を推進している。
6ヶ年中長期経営計画「C.C.J2200」では、2021年の創立100周年を見据えて、確固たる基盤を持った電機・電子の一大技術商社を目指し、目標数値に21年3月期連結売上高2200億円(単体1400億円、国内子会社460億円、海外子会社440億円、消去100億円)、連結営業利益75億円を掲げている。
■19年3月期利益横ばい予想だが3Q累計順調
19年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比2.1%増の1820億円、営業利益が0.9%増の64億50百万円、経常利益が1.4%増の67億円、純利益が1.3%増の46億円としている。配当予想は6円増配の46円(第2四半期末24円、期末22円)で、予想配当性向は25.2%となる。
第3四半期累計は売上高が前年同期比2.9%増の1334億92百万円、営業利益が7.0%増の47億38百万円、経常利益が8.8%増の51億21百万円、純利益が14.3%増の36億78百万円だった。
主力のFAシステム事業は2.6%増収で5.2%増益だった。半導体・液晶製造装置関連、自動車関連の設備投資需要を背景として、FA機器分野ではプログラマブルコントローラー、配電制御機器、鉄鋼プラント向け工場設備案件、産業機器分野ではレーザー加工機、自動化設備などが伸長した。
半導体デバイス事業は1.4%増収で8.5%増益だった。中国市場において半導体分野の売上が減少したが、国内で空調関連、産業関連、車載関連向けにパワーモジュールやマイコンなどが好調だった。施設事業はエアコンが好調に推移し、昇降機の大型案件も寄与して9.1%増収だが、減益だった。その他はMMS分野、EMS分野が好調で8.8%増収となり、赤字が縮小した。
第3四半期累計の進捗率は売上高73.3%、営業利益73.5%である。設備投資関連で第4四半期の構成比が高いことを考慮すれば、概ね順調と言えるだろう。通期利益横ばい予想だが、好業績を期待したい。
■株主優待制度は3月末の株主対象
株主優待制度は毎年3月31日現在の100株(1単元)以上保有株主を対象として、継続保有期間および保有株式数に応じてクオカードを贈呈する。18年3月期末から導入した。
■株価は戻り歩調
株価は12月安値1359円から切り返して戻り歩調だ。2月13日には1640円まで上伸した。出直りを期待したい。2月13日の終値は1633円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS182円26銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間46円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2585円82銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約425億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)