トーセは中間配当の配当権利取りをミニGC示現の好形チャートがサポートして続伸

トーセ<4728>(東1)は、前日13日に6円高の814円と続伸して引けた。同社株は、今月25日に今2018年8月期の中間配当の権利付き最終売買日を迎えるが、配当利回りが、2月期・8月期決算会社(東証第1部)の配当利回りランキングのトップ20にランクインしていることから、配当権利取りの買い物が増勢となった。テクニカル的にも、今年1月10日に発表した今期第1四半期(2018年9月~11月期、1Q)業績が、連続小幅赤字で着地したものの、5日移動平均線が下から上に抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現しており、側面サポート材料視されている。

■年間25円配当の利回りは2月期・8月期決算会社のランキングでトップ18位

 同社は、ユーザー獲得競争が激化するゲームソフト業界で、利益配分方針として新ビジネス分野への積極的な事業展開に備える内部留保の充実を図りつつ、株主への安定的な配当を維持することを基本としており、今期配当は、年間25円(うち中間配当12.5円、前期年間配当25円)の継続を予定している。この年間配当利回りは、3.07%と2月期・8月期決算会社の配当利回りランキングの第18位にランクインし、東証第1部全銘柄平均の1.98%を大きく上回り、インカム・ゲイン妙味を示唆している。

 一方、今期1Q業績は、売り上げが8億5200万円(前年同期比18.8%増)と大幅続伸し、営業利益が5800万円の赤字(前年同期は4700万円の赤字)、経常利益が3500万円の赤字(同3600万円の赤字)、純利益が3400万円の赤字(同3800万円の赤字)と連続の赤字となった。ゲームソフトの開発受託会社として、売り上げ計上が下期以降に大きくなり、1Qには固定費が先行計上される業態の会計特性上、連続赤字となったが、それでも売り上げそのものは連続の2ケタ増となった。開発完了タイトル数が、家庭用ゲーム機向け1タイトル、パソコン向け2タイトル、スマートフォン向け2タイトルの合計5タイトルとなり、ゲームソフト関連の売り上げが、「Nintendo Switch」向けの開発売り上げが伸び、前年同期比2.55倍の3億4300万円となったことなどが要因となった。

 今2019年8月期業績は、 期初予想に変更はなく売り上げ53億2700万円(前期比17.9%増)、営業利益2億7100万円(同18.6%増)、経常利益3億3200万円(同24.2%増)、純利益1億9200万円(同2.4%増)と増収増益転換を見込んでいる。前期は、顧客先の都合による開発中止案件が発生し、人材育成の販管費増なども響いて減益転換となったが、今期は、大型プロジェクト案件が増加、開発金額が3億円以上の件数が3件(前期実績1件)、1億円以上が8件(同7件)に増加し、ストック収入として寄与する運営サイト数も、26サイトと高水準で推移することなどが要因となる。

■25日線水準の三角保ち合いからの上放れに弾みをつけ理論株価も意識

 株価は、昨年9月の前期配当の権利落ち後高値1114円のあと1000円固めを続けたが、再三の世界同時株安の波及で下値を確かめ、昨年12月末には昨年来安値670円へ突っ込んだ。同安値からは、PBR1倍割れは売られ過ぎとして860円までリバウンド、25日移動平均線を出没する三角保ち合いに煮詰まり感を強め、5日移動平均線が下から上に25日を抜くミニGCを示現した。年間配当利回りを東証第1部全銘平均利回りの1.98%水準まで買うと仮定して計算できる理論株価の1262円を意識しつつ、まず1000円大台を奪回し、昨年9月高値へのキャッチアップに弾みをつけよう。(本紙編集長・朝妻昭治)

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