【編集長の視点】シンデンハイテクは連日の最高値、配当権利落ち後安値から直近IPO株買いが増勢

編集長の視点

シンデン・ハイテックス<3131>(JQS)は、寄り付きから買い気配値を切り上げ700円高の5070円買い気配と続急伸し、連日のストップ高、連日の上場来高値更新となっている。同社株は、新興市場の新規株式公開(IPO)株としては異例に前2015年3月期の年間配当を70円(前々期実績60円)と予想、IPO直後の配当権利落ちで3200円と調整したが、この安値から直近IPO株人気を高めて上値チャレンジを続けている。IPO後の8営業日間のうち3日間でストップ高を演じた急騰特性やスマートカー向け電子部品株の一角に位置することも、サポート材料視されている。

■車載向け液晶などへのシフトも強めスマートカー部品需要も享受

同社は、電子部品の専門商社で、米国、韓国などのワールドワイドでエレクトロニクス分野の最先端の部品を幅広く発掘して仕入れ販売し、顧客ニーズに迅速・柔軟に対応してきた。商品分野は、液晶モジュールや半導体メモリ、さらにメモリモジュール、検査装置モジュールの電子機器で、車載向け液晶や特殊分野向け電子機器ビジネスへのウエイトシフトを進めている。電子部品・電機業界では、自動車の安全走行、自動運転などを可能とするスマートカー向け部品への進出・強化が続いており、同社は車載向け液晶分野でこの一角を占めることになる。

 目下集計中で今年5月14日に発表予定の前2015年3月期業績は、IPO時に売り上げ479億6900万円(前々期比24.9%増)、経常利益3億5300万円(同52.5%減)、純利益2億1400万円(同49.2%減)と予想された。次期以降の利益に貢献する半導体の研究開発費計上などが減益見込みにつながったもようであり、5月の決算発表時の今2016年3月期の業績ガイダンス(予想)が注目されることになる。

■2番底から3回のストップ高を交えて最高値追いも投資採算的にまだ割り負け

株価は、公開価格2740円でIPOされ、3075円で初値をつけ、2848円と下ぶれたあと初値比ストップ高となる3775円で上場初日を終え、期末の配当権利取りで4110円まで買い進まれ、権利をスンナリ落として3200円の2番底をつけた。同安値からきょう6日も含めて3回のストップ高を交えて上場来高値追いとなっているが、投資採算的にも既上場の電子部品専門商社と比較しても割り負けている。上値チャレンジに弾みをつけよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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