女の子が生まれたら桐を植えるがごとく株を買え=犬丸正寛の相場格言

■女の子が生まれたら桐を植えるがごとく株を買え

 日本で有数の桐の産地である会津地方では、娘が生まれたら桐を植えるといわれます。木のなかでも桐は10年から15年程度で大きくなり成長が比較的早いため、娘が嫁入りする時に桐で作った箪笥を嫁入り道具に持たせるという親の思いです。桐は材質が均一で変形し難く、精密な作りができるうえ湿気に強いため箪笥には桐がいちばんで今でも高価なものです。株式投資においてもこれくらいのゆったりした気持ちで、子供の将来を思いやることが大切であるというよき時代の教えです。

 今日なら、娘さんでなくても息子さんが生まれたら、将来の学資のために株を買うのもいいと思います。桐が成長する15年といえば、子供が高校生になる頃で学費がかかり始めます。金利の高かった以前なら、学資貯金などでよかったのですが、低金利の今は殖やすことはできません。やはり株ということになります。東京証券取引所の調べによる配当金収入と値上がりなどを含めた「株式投資収益率」は1994年から2003年までの過去10年間の平均で約3%です。この間、バブル崩壊後2000年から2002年までは17.5~24.9%のマイナスとなるなど厳しい環境だったにもかかわらずプラス成果だったことは株の持つ魅力です。

 ただ、昭和40年代(1970年代)までの高度成長時代は、どの時点で買っても成果は大きかったのですが、成熟社会の今日では難しくなっているのも事実です。必ずしも長期投資がよいとはいえなくなっているのです。この原因の1つに新製品の寿命が短くなっていることがあります。過去、VTRが登場した頃には、普及率が高まるまで時間がかかったため、関連銘柄の人気が12年程度続きました。現在は、IT技術などの早い普及にみられるように新製品の命は非常に短くなっていますので長期保有はできません。

 右肩上がり経済の終焉、親子の断絶など厳しい環境をを考えると、子供のために桐を植えることより、老後の自分の生活に備えることが大切となっているのではないでしょうか。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■7日間摂取試験でBCAAやタウリン増加、血液健全性を維持  吉野家ホールディングス<9861>(…
  2. ■日本味と匂学会で優秀発表賞を受賞、応用研究に期待  花王<4452>(東証プライム)は9月24日…
  3. ■GHG削減価値をデジタル証書化、荷主に割り当て  商船三井<9104>(東証プライム)は9月19…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  2. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  3. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  4. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  5. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  6. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る