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ソレイジア・ファーマは底固め完了感、がん領域創薬ベンチャーで19年以降の上市本格化期待
- 2019/2/21 08:25
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ソレイジア・ファーマ<4597>(東マ)は、がん領域を戦略的疾患領域とする創薬ベンチャーで、候補物質の開発権導入による臨床開発を主力としている。19年以降の上市本格化と収益化を期待したい。株価は12月安値を割り込むことなく底固め完了感を強めている。出直りを期待したい。
■がん領域中心の創薬ベンチャー、開発権導入による臨床開発が主力
がん領域を戦略的疾患領域とする創薬ベンチャーである。候補物質の開発権導入による臨床開発を主力としている。
日本および中国を中心とするアジア諸国において、世界の医薬品企業やバイオテクノロジー企業から有望な製品候補を導入し、国際共同治験を含む積極的な開発戦略によって迅速な承認取得を目指している。
抗悪性腫瘍薬投与に伴う悪心・嘔吐を適応症とするグラニセトロン経皮吸収型製剤SP-01(導入元:Kyawa Kirin)は、中国で18年7月承認取得して販売準備中である。製品上市は19年12月期第1四半期を予定し、18年11月には中国での販売代理店契約を締結している伊藤忠商事<8001>向けに製品出荷を開始したと発表している。
末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)を適応症とする抗がん剤SP-02(導入元:ZIOPHARM)は、日本・韓国・台湾・香港において第2相臨床試験(最終)を実施中で、19年中の完了予定、20年承認申請予定である。中国では第2・3相臨床試験(最終)準備中である。米国では第2相臨床試験が完了している。欧州では前臨床試験が完了している。18年8月にはコロンビアのHB社と南米地域での販売等の独占的権利に関するライセンス契約を締結した。日本地域でのMeiji Seika ファルマとの独占的開発販売契約に続き、収益化を目的とする2つ目の契約である。
がん化学療法および放射線療法による口内炎に伴う疼痛緩和口腔用液材SP-03(導入元:Camurus)は、日本で17年7月承認取得し、18年5月国内独占販売権導出先であるMeiji Seika ファルマがエピシル口腔用液として販売開始した。中国では16年5月承認申請している。そして19年2月4日には、中国国家薬品監督管理局(NMPA)の直属機関である医療機器技術審査センター(CMDE)から、医療機器輸入販売承認にかかるCMDEでの審査完了およびNMPAへの承認上程の通知を受けたと発表している。また18年8月にはスウェーデンのCamurus社と、韓国での独占開発販売権利を導入する契約を締結した。19年中の承認申請を予定している。
がん化学療法に伴う末梢神経障害を適応症とするSP-04(導入元:PledPhama)は、日本・韓国・台湾・香港において、第3相臨床試験(最終)を実施中である。
なお中国での商流構築に関しては、17年9月に伊藤忠商事と中国販売にかかる代理店契約を締結している。対象製品はSP-01およびSP-03の中国販売用製品で、18年から販売体制を整備している。また自販戦略として、北京市・上海市・広州市では、自社でのセールス・マーケティングを行う。
■19以降の上市本格化と収益化期待
19年12月期連結業績(IFRS)予想は、売上収益が5億円~17億円、営業利益と純利益が30億円の赤字~20億円の赤字としている。売上収益にはSP-01の中国製品販売収益、SP-03の日本および中国製品販売収益、SP-02やSP-04の権利導出収益などを見込んでいる。当面は赤字だが19年以降の上市本格化と収益化を期待したい。
■株価は底固め完了感
株価は反発力の鈍い展開だが、12月の上場来安値118円を割り込むことなく、160円近辺で推移して底固め完了感を強めている。出直りを期待したい。2月20日の終値は160円、時価総額は約168億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)