【アナリスト水田雅展の銘柄分析】FPGは中期成長力を評価して上値追い

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 ワンストップ型ファイナンシャルサービスのFPG<7148>(東1)の株価は、3月9日の15年9月期業績増額修正および株式3分割発表を好感して上場来高値更新の展開だ。中期成長力を評価する流れに変化はなく、目先的な過熱感を冷ましながら上値追いの展開だろう。なお4月30日に第2四半期累計(10月~3月)の業績発表を予定している。

 子会社(特別目的会社SPC)が運営するオペレーティング・リース事業の組成・販売・管理などを行うタックス・リース・アレンジメント事業を主力としている。さらにM&Aも積極活用して、保険仲立人事業、M&Aアドバイザリー事業、プライベートバンキング事業、不動産関連事業、証券事業、投資顧問事業、信託事業などに事業領域を広げ、ワンストップ型ファイナンシャルサービスを展開している。

 13年3月にフィンテックグローバル証券(現FPG証券)を子会社化して証券事業、13年6月に子会社FPGリアルエステートを設立して不動産関連事業、14年4月に第一投資顧問(現FPG投資顧問)を子会社化して投資顧問事業、そして14年10月にベルニナ信託(現FPG信託)を子会社化して信託事業に進出した。

 タックス・リース・アレンジメント事業は船舶・コンテナ・航空機を主対象としてリース組成し、出資金販売に伴うSPCからの手数料収入を収益柱としている。販売ネットワーク開拓を進め、14年12月末時点で1956の会計事務所および88の金融機関(地銀・証券会社)と提携している。

 13年11月には、大手航空機リースマネジメントのアメンタム社(アイルランド)の株式25%を取得して資本業務提携し、航空機リース組成を強化した。そして3月24日には、アメンタム社と航空機を対象とした日本型オペレーティング・リース第2号案件として、欧州航空会社を賃借人とする航空機2機のリース組成・販売開始を発表している。

 12年10月の東証1部市場へ指定替えによる信用力向上、公募増資や利益積み上げによる財務体質強化、提携会計事務所・金融機関の積極開拓などで、金融機関からの資金調達力、リース事業の案件組成能力、販売提携先からの紹介を含めた出資金販売力が大幅に強化されている。

 なお3月24日には、14年3月に締結した三菱東京UFJ銀行をアレンジャーとする資金調達枠63億円のコミットメントライン契約の期間が終了することに伴い、資金調達枠を88億円に拡大した新たなコミットメントライン契約締結を発表した。本件により、当社グループのコミットメントライン契約および当座貸越契約に基づく資金調達枠の総額は575億円(14年9月期末時点の450億円に対して125億円増加)となった。

 中期戦略としてM&Aも積極活用し、高収益オーナー企業や富裕層などの顧客(投資家)に対して多様な金融商品・サービスを提供するワンストップ型ファイナンシャルサービスを強化する方針だ。

 なお当社の収益構造については、顧客(投資家)がリース事業に出資するか否かの意思決定を顧客自身の業績動向が判明する決算月近くに行う傾向があるため、当社の売上高も第2四半期(1月~3月)および第4四半期(7月~9月)の構成比が高くなる傾向が強いとしている。

 今期(15年9月期)第2四半期累計(10月~3月)および通期(10月~9月)の連結業績見通しについて、3月9日に増額修正(1月30日に続いて2回目の増額修正)を発表している。

 3月9日修正後の15年9月期連結業績見通しは売上高が前期比94.6%増の121億76百万円、営業利益が同2.2倍の77億78百万円、経常利益が同2.4倍の77億01百万円、純利益が同2.4倍の47億73百万円で、リース事業組成金額は同50.1%増の2530億円、出資金販売額は同78.4%増の676億09百万円とした。

 タックス・リース・アレンジメント事業においてオペレーティング・リース事業の案件組成と出資金販売が好調に推移し、不動産関連事業など新規事業の拡充も寄与する。

 なお15年3月31日を基準日(効力発生日15年4月1日)として1株を3株に分割し、配当予想を年間10円34銭(期末一括)に修正した。前回予想の年間31円(期末一括)との比較で実質的に変更はなく、前期の年間26円(期末一括)との比較では実質的に同1円67銭(株式3分割後)増配となる。

 また株式3分割に伴って株主優待制度の贈呈基準変更も発表した。15年3月末時点の株主に対しては、従来どおりの内容(300株以上3000株未満保有株主に対して1000円相当のクオカード1枚、3000株以上保有株主に対して3000円相当のクオカード1枚)で実施する。株式3分割後の15年9月末以降は、毎年9月末および3月末時点の900株以上~9000株未満保有株主に対して1000円相当のクオカード1枚、9000株以上保有株主に対して3000円相当のクオカード1枚を贈呈する。

 信用力向上に伴って全国の会計事務所や金融機関からの顧客紹介が一段と増加傾向だ。15年度からの法人実効税率の段階的引き下げ期待も背景として、業績好調な顧客(投資家)からの投資需要が旺盛な状況であり、出資金の販売が好調に推移するだろう。また中期的にも、小口運用商品の販売を開始した不動産関連事業などの収益寄与本格化が期待される。ワンストップ型ファイナンシャルサービスの事業展開を加速して収益拡大基調だろう。

 株価の動き(4月1日付で株式3分割)を見ると、3月9日の15年9月期業績増額修正および株式3分割発表を好感して上場来高値更新の展開となり、3月31日の1380円(株式分割修正後)まで上伸した。その後は過熱感を強めて上げ一服の形だが、中期成長力を評価する流れに変化はないだろう。

 4月6日の終値1296円を指標面(15年4月1日付の株式3分割後)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS50円88銭で算出)は25~26倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円34銭で算出)は0.8%近辺、前期実績PBR(前期実績に株式3分割を考慮した連結BPS112円46銭で算出)は12倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線に対するプラス乖離率が縮小して目先的な過熱感がやや解消した。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドの形だ。中期成長力を評価する流れに変化はなく、目先的な過熱感を冷ましながら上値追いの展開だろう。

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