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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】トレジャー・ファクトリーは短期調整一巡、中期成長力を評価して1月高値試す
- 2015/4/7 07:03
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
リサイクルショップ運営のトレジャー・ファクトリー<3093>(東1)の株価は、短期調整が一巡して強基調に回帰する動きだ。4月10日発表予定の15年2月期決算や16年2月期見通しに対する期待感も高まる。中期成長力を評価して1月高値3170円を試す展開だろう。
首都圏を中心に総合リユースショップ(総合業態)や服飾専門リユースショップ(服飾業態)などを直営とFCで展開している。14年11月末時点の店舗数は、直営総合業態50店舗、直営服飾業態23店舗、新業態の古着アウトレット業態1店舗、スポーツ・アウトドア業態1店舗、事業を譲り受けたブランドコレクト業態1店舗、FC総合業態4店舗の合計80店舗である。
関西圏への新規出店を加速させ、13年5月総合業態の関西1号店・神戸新長田店、13年10月服飾業態の関西1号店・尼崎店、14年3月大阪府初出店となる関西3号店の総合業態・岸和田店、7月大阪2号店となる総合業態・八尾店、11月大阪府3号店となる総合業態・東大阪店をオープンした。そして15年2月に服飾業態「トレファクスタイル」の関西旗艦店となるアメリカ村店(大阪市中央区)をオープンして関西圏の店舗数は合計6店舗となった。
新業態のスポーツ・アウトドア用品専門業態「トレファクスポーツ」は1号店の青葉台店(横浜市)を14年9月にオープンした。ネット通販も強化して13年4月に楽天市場へ出店した。新規事業では10年10月からブランドバッグ&ファッションのオンラインレンタルサービス「Cariru」を運営している。
14年10月にはファーストザウェーブ社の「ブランドコレクト」事業(ウェブサイト、フルフィルメントセンター1拠点、ブランドコレクト原宿店)を譲り受けた。ネットでの事業展開を加速するとともに、都心型店舗の新業態を追加してファッションカテゴリーを強化する方針だ。
また15年2月には不動産賃貸仲介大手のハウスコム<3275>と業務提携した。ハウスコム店舗で契約したお客様限定で、引越と不用品買取を行うサービス「トレファク引越」を割引料金で提供して買取を強化する。
前期(15年2月期)の業績(非連結)見通し(1月14日に増額)は売上高が前々期比14.5%増の104億49百万円、営業利益が同25.1%増の8億88百万円、経常利益が同24.9%増の9億12百万円、純利益が同22.0%増の5億09百万円としている。配当予想(1月14日に増額)は年間18円(期末一括)で、14年9月1日付の株式2分割を考慮すると実質的に前々期比8円増配となる。
第3四半期累計(3月~11月)は前年同期比16.8%増収、42.0%営業増益、41.7%経常増益、40.2%最終増益だった。既存店売上高の好調、新規出店7店舗の寄与、差引売上総利益率の上昇などで売上高、利益とも計画以上の増収増益だった。
四半期別の推移を見ると、売上高は第1四半期(3月~5月)25億82百万円、第2四半期(6月~8月)23億36百万円、第3四半期(9月~11月)28億85百万円で、営業利益は第1四半期3億51百万円、第2四半期77百万円、第3四半期3億43百万円である。
そして通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高74.7%、営業利益86.8%、経常利益86.9%、純利益86.6%と高水準だった。第4四半期(12月~2月)も販売単価の高い生活家電・家具を中心に既存店売上の好調が続いている。
月次売上(直営店の店舗売上、前年比速報値ベース)を見ると、15年2月は全店127.4%、既存店115.9%で、既存店は12ヶ月連続の前年比プラスだった。販売単価の高い生活家電やブランド品の好調が続き、14年3月~15年2月累計は全店116.6%、既存店107.9%である。なお2月の新規出店は1店舗で15年2月末時点の店舗数は合計82店舗となった。
今期(16年2月期)もテレビCMによる知名度上昇、積極的な新規出店、既存店の収益力強化、大口仕入や出張買取の強化、ネット事業の強化、差引売上総利益率の上昇などで増収増益基調だろう。
リユース市場は拡大基調であり、中期成長に向けて直営店舗網の拡大や業態の多様化を加速させる方針だ。首都圏や関西圏を中心に年間10店舗程度の新規出店で100店舗体制構築を当面の目標としている。既存店の収益力強化策や新業態・新規事業の積極展開も寄与して中期的に収益拡大基調だろう。
株主優待制度については毎年2月28日時点の1単元(100株)以上保有株主に対して「トレジャーチケット」を贈呈している。「トレジャーチケット」の内容は「トレジャー・ファクトリーオリジナルクオカード1000円分」、プレゼント抽選券「トレジャーロト」、および当社の店舗および宅配買取サービスで利用できる「買取金額アップクーポン」をセットにしている。
株価の動き(14年9月1日付で株式2分割、14年12月5日付で東証マザーズから東証1部へ市場変更)を見ると、1月高値3170円から利益確定売りで一旦反落したが、3月27日と30日の直近安値2550円から切り返しの動きを強めている。4月6日には2745円まで戻す場面があった。3月4日の2515円を割り込まずに切り返した形であり、短期調整が一巡したようだ。
4月6日の終値2740円を指標面で見ると、前期推定PER(会社予想のEPS91円60銭で算出)は30倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は0.7%近辺、前々期実績PBR(前々期実績に株式2分割を考慮したBPS438円36銭で算出)は6.3倍近辺である。
日足チャートで見ると25日移動平均線を突破した。また週足チャートで見ると26週移動平均線近辺から切り返す動きだ。短期調整が一巡して強基調に回帰したようだ。4月10日発表予定の15年2月期決算や16年2月期見通しに対する期待感も高まる。中期成長力を評価して1月高値3170円を試す展開だろう。