ラクオリア創薬は急伸して戻り高値圏、19年12月期黒字化予想
- 2019/2/28 06:01
- 株式投資ニュース
ラクオリア創薬<4579>(JQ)は疼痛と消化管疾患を主領域とする創薬ベンチャーである。19年12月期黒字化予想である。これを好感して株価は急伸し、戻り高値圏だ。上値を試す展開を期待したい。
■疼痛と消化管を主領域とする創薬ベンチャー
ファイザー日本法人の中央研究所を前身として、新規開発化合物の創出を目指す創薬ベンチャーである。炎症および神経性の疼痛と、胃食道逆流症や過敏性腸症候群を代表とする消化器疾患を主な領域としている。新規開発化合物の知的財産権を製薬会社に導出(使用許諾契約によるライセンスアウト)する収益モデルである。
パイプラインは消化器疾患領域で、胃食道逆流症を適応症とするRQ-00000004、胃不全麻痺・機能性胃腸症・慢性便秘を適応症とするRQ-00000010、下痢型過敏性腸症候群を適応症とするRQ-00310941、胃不全麻痺・機能性胃腸症・術後イレウスを適応症とするRQ-00201894、癌に伴う食欲不振および悪液質症候群を適応症とするRQ-00433412、疼痛領域で神経障害性疼痛(化学療法起因性冷アロディニア)を適応症とするRQ-00434739がある。
子会社化テムリックは、癌領域に特化した創薬事業を展開している。パイプラインは、再発または難治性の急性前骨髄球性白血病(APL)を主適応症とするレチノイン酸受容体作動薬TM-411(一般名タミバロテン)である。
なお胃食道逆流症治療薬RQ-00000004導出先である韓国CJ社は18年7月承認取得(韓国名tegoprazan、19年販売開始予定)し、18年12月ベトナムVimedimex社とサブライセンス契約を締結、19年2月メキシコCarnot社とサブライセンス契約を締結した。
■19年12月期黒字化予想
19年12月期連結業績予想は、売上高が20億22百万円、営業利益が1億87百万円の黒字、経常利益が1億95百万円の黒字、純利益が1億53百万円の黒字としている。米国アラタナ社、韓国CJ社からのマイルストンおよびロイヤリティを見込み、黒字化予想である。
■株価は急伸して戻り高値圏
株価は19年12月期の黒字化予想を好感して急伸し、18年3月以来の戻り高値圏だ。上値を試す展開を期待したい。2月27日の終値は2089円、時価総額は約426億円である。