トシン・グループは上場来高値圏、19年5月期横ばい予想だが保守的、自己株式取得も評価

 トシン・グループ<2761>(JQ)は首都圏中心に電設資材などの卸売事業を展開している。19年5月期業績は横ばい予想だが保守的だろう。配当は増配予想である。株価は上場来高値圏だ。継続的な自己株式取得も評価して、自律調整を交えながら上値を試す展開が期待される。

■首都圏中心に電設資材や住宅設備機器の卸売事業を展開

 首都圏中心に電設資材や住宅設備機器などの卸売事業を展開している。小口多数販売、専門部署による得意先営業活動支援サービスなどを特徴とし、事業基盤強化や収益拡大に向けて、取扱商品や営業拠点網の拡充を推進している。

 収益面では、新設住宅着工戸数など建設関連投資の動向が影響し、第4四半期(3月~5月)の構成比が高い特性がある。利益還元については、将来の事業展開と経営体質強化のために必要な内部留保を確保する一方で、財務状況、利益水準、配当性向などを総合的に勘案して、前年実績を下回らない安定した配当を実施することを基本方針としている。

■19年5月期横ばい予想だが保守的

 19年5月期(20日締め)の連結業績予想は、売上高が18年5月期比0.2%増の435億円、営業利益が0.4%増の22億85百万円、経常利益が0.5%増の30億80百万円、純利益が0.1%増の20億10百万円としている。配当予想は1円増配の年間56円(第2四半期末28円、期末28円)としている。予想配当性向は23.3%となる。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比2.8%増の224億55百万円、営業利益が3.9%増の12億44百万円、経常利益が4.0%増の16億76百万円、純利益が4.9%増の11億07百万円だった。新築住宅着工戸数の減少や資材価格の高止まりなど厳しい状況だったが、新規得意先開拓や既存得意先の深掘りなど、営業基盤拡充を推進して増収増益だった。

 第2四半期累計の進捗率は売上高51.6%、営業利益54.4%と順調だった。新築住宅着工戸数減少や競合激化などを考慮して通期横ばい予想としているが、やや保守的だろう。収益拡大を期待したい。

■株価は上場来高値圏

 18年8月17日発表の自己株式取得(上限50万株・21億円、取得期間18年8月20日~19年7月31日)は、19年2月28日時点の累計取得株式総数が7万3600株となっている。

 株価は2月15日に上場来高値8870円まで上伸した。その後も高値圏で推移している。継続的な自己株式取得も評価して、自律調整を交えながら上値を試す展開が期待される。3月1日の終値は8020円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS240円62銭で算出)は約33倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間56円で算出)は約0.6%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS4248円19銭で算出)は約1.9倍、時価総額は約915億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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