【編集長の視点】JSSは反落も下値には自己株式取得と連続増配を手掛かりに値ごろ割安株買いが継続

ジェイエスエス<JSS、6074>(JQS)は、前日4日に11円安の666円と3営業日ぶりに反落して引けた。同社株は、昨年12月25日に突っ込んだ昨年来安値515円から3割高しており、目先の利益を確定する売り物が出た。ただ下値には、今年2月13日に今2019年3月期第3四半期(2018年4月~12月期、3Q)決算の開示とともに発表した自己株式取得や今期配当の連増配を手掛かりする値ごろ割安株買いが継続した。テクニカル的にも、5日移動平均線が、下から25日移動平均線を上抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現し、その25日が上昇転換して今度は75日移動平均線を上抜くゴールデン・クロスをして上昇トレンド転換を示唆していることも買い手掛かりとなっている。

■今期通期純利益は過去最高を連続更新し5期連続の増配を予定

 自己株式取得は、経営環境の変化に対応した起動的な資本政策の遂行や資本効率の向上、株主還元を目的に実施するもので、取得株式数の上限を17万株(発行済株式総数の4.2%)、取得総額を1億円、取得期間を今年2月14日から12月20日までとしている。また今3月期配当は、15円(前期実績12.5円)を予定しており、同社が2013年6月に新規株式公開された直後の2014年3月期から2017年3月末を基準日に実施した株式分割(1株を2株に分割)も含めて5期連続の増配と積極的な株式還元策を進めている。

 一方、今3月期3Q業績は、前年同期比0.7%増収、13.7%営業減益、11.1%経常減益、11.6%純益減益で着地した。昨年7月にスイミングスクール中野山(新潟市東区)がオープンしたあと、10月に同じく清田(北海道札幌市)が新築移転オープンしており、前期に実施した会費値上げで会員数は伸び悩んだものの売り上げは続伸を確保、利益は、人材確保と強化を目的とする新人事制度導入に伴い人件費が増え、原油価格上昇による光熱費の負担増なども重なり減益転換した。ただ今3月期通期業績は、期初予想に変更はなく、売り上げ88億9800万円(前期比2.0%増)、営業利益5億8300万円(同3.8%増)、経常利益5億7900万円(同3.8%増)、純利益3億7600万円(同3.7%増)と見込み、純利益は、連続して過去最高を更新する。

■ミニGC、GC示現で上昇トレンド転換を鮮明化し低PER修正に再発進

 株価は、昨年12月に日経平均株価が一時、1万9000円台を割る全般相場急落に巻き込まれて株式分割の権利落ち後安値515円へ突っ込んで売られ過ぎとして底上げし、自己株式取得を歓迎して683円高値まで32%高、この間にミニGC、GCを次々に示現して上昇トレンド転換を鮮明化した。PERは7倍台、年間配当利回りは2.25%とジャスダック市場平均を下回ってなお割安であり、次の上値フシとして昨年1月高値から12月安値への下落幅の3分の1戻し768円が意識されよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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