ラクーンが今4月期の連結業績予想を増額修正、第3四半期も2ケタ増益で好調に推移

■「スーパーデリバリー」など好調で持株会社移行による一時費用など消化

ラクーンホールディングス(ラクーンHD)<3031>(東1)の2019年4月期・第3四半期連結決算(2018年5月~19年1月・累計)は、EC事業が主力の「スーパーデリバリー」の海外流通額の増加などにより引き続き拡大し、フィナンシャル事業も長期後払いに対応した「Paid決済」の提供が加わったことなどにより拡大したことなどにより、売上高は前年同期比14.6%増加して21.62億円となった。

 利益面では、当第3四半期からホールディングス(持株会社)体制に移行したことによる一時的な費用(組織再編関連費用など)や、家賃保証サービスを展開するALEMO株式会社の100%子会社化にともなうのれん償却費などがあったものの、営業利益は同17.8%増加して3.93億円となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は同7.5%増加して2.37億円となった。

■今期の連結営業利益は従来予想を6%増額し5.5億円(前期比25%増)に

 こうした好調な推移を受け、今期・2019年4月期の連結業績予想を全体に増額修正した。EC事業の売上高が第4四半期において好調に推移している上、フィナンシャル事業における既存各サービスの売上高も当初の想定を超えて好調に推移、またALEMO社の業績寄与が加わるため、4月通期の連結売上高は従来予想を10%引き上げて29.80億円の見込み(前期比17.0%の増加)とし、営業利益は同じく6%引き上げて5.45億円の見込み(同24.5%の増加)に、親会社株主に帰属する当期純利益は同1%引き上げて3.33億円の見込み(同17.7%の増加)に修正した。増額後の予想1株利益は18円58銭。以上、売上高、各利益とも連続して過去最高を更新することになる。

◆持株会社体制への移行により成長スピードを上げていく方針

 第3四半期累計期間は、EC事業の主力事業である「スーパーデリバリー」が、事業規模の拡大とBtoBにおけるEC市場の普及とともに、海外事業者および国内の小売業以外の事業者からの仕入れニーズの高まりを受け、ターゲットを従来からの国内の小売店だけではなく、国内の小売業以外の事業者や海外事業者にも拡大している。新規購入者数の増加を図るためのクーポン配信など、各種の取り組みを行った結果、購入者数は順調に増加し、「スーパーデリバリー」全体の流通額は前年同期比4.4%増加して82.0億円となった。

 また、「Paid事業」と「保証事業」は、持株会社体制への移行にともない、「フィナンシャル事業」に統合した。Paid事業では、長期後払いに対応した「Paid決済」の提供を開始したほか、入金確認の自動化による24時間365日対応を開始するなどで一層の利便性向上を図った。保証事業では、ALEMO社が加わったことで、居住用家賃保証が新たに加わり、居住用・事業用のどちらの物件にも対応可能な家賃保証サービスの提供が可能になった。この結果、フィナンシャル事業の売上高は前年同期比31.3%増加して9.94億円となった。持株会社体制への移行により、既存事業の成長スピードを上げていく方針だ。(HC) 

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