日本エム・ディ・エムは戻り歩調、19年3月期2桁営業増益・連続増配予想

 日本エム・ディ・エム<7600>(東1)は整形外科分野の医療機器専門商社である。自社製品拡販を推進して19年3月期2桁営業増益・連続増配予想である。株価は下値固め完了して戻り歩調だ。出直りを期待したい。

■整形外科分野の医療機器専門商社、自社製品比率上昇して収益力向上

 人工関節製品、骨接合材料、脊椎固定器具など整形外科分野を主力とする医療機器専門商社である。メーカー機能強化による高収益体質への転換を目指し、米国子会社オーソデベロップメント(ODEV)社製品の拡販を推進している。自社製品比率は16年3月期85.1%、17年3月期87.5%、18年3月期88.6%と上昇基調で、収益力が向上している。

 17年6月には米ODEV社が、中国のChina Pioneer Pharma Holdings(CPP社)と、中国における独占販売提携契約を締結した。18年10月には米ODEV社が、米国Johnson & JohnsonグループのDePuy Synthes社と、米ODEV社製「KASM」の米国市場における販売提携契約を締結した。

 収益面の特性として、医療機器償還価格の影響や為替変動の影響を受けるほか、整形外科医療機器の販売は下期が繁忙期となる傾向があるため、業績も下期の構成比が高い傾向があるとしている。

■19年3月期2桁営業増益・連続増配予想

 19年3月期連結業績予想は、売上高が18年3月期比6.4%増の157億50百万円、営業利益が10.0%増の22億50百万円、経常利益が6.9%増の21億円、純利益が5.2%増の15億円としている。配当予想は1円増配の年間9円(期末一括)としている。連続増配予想で予想配当性向は15.8%となる。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比13.1%増の120億41百万円、営業利益が6.4%増の16億13百万円、経常利益が9.3%増の16億05百万円、純利益が16.3%増の11億32百万円だった。

 米国販売(米ドルベースで25.7%増収、円換算後で24.6%増収)の好調が牽引して増収増益だった。日本国内販売(6.8%増収)は18年4月に償還価格引き下げが行われたが、骨接合材料分野や脊椎固定器具分野が順調だった。売上総利益率は国内償還価格引き下げの影響、自社製品売上比率の低下(86.6%で2.6ポイント低下)した影響で1.7ポイント低下したが、販管費比率が0.9ポイント低下した。純利益は米国連邦法人税率引き下げによる税負担減少も寄与した。

 通期も米ODEV社製品の拡販が牽引して増収・2桁営業増益予想である。為替前提は1米ドル=106円、日本国内販売は5.0%増の100億26百万円、米国販売は8.8%増の57億24百万円(現地販売は13.7%増の54百万ドル)の計画である。第3四半期累計の進捗率は売上高76.5%、営業利益71.7%と概ね順調である。下期の構成比が高い傾向を考慮すれば、通期ベースでも好業績が期待される。

■新中期経営計画で高付加価値自社製品の開発強化

 新中期経営計画「MODE2000」では、目標数値に21年3月期売上高187億円、営業利益28億円、経常利益26億円、純利益19憶円、ROE12.3%を掲げている。

 重点施策として、米ODEV社との日米共同開発や日本特殊陶業<5334>との連携による高付加価値自社製品の開発強化、海外ビジネス(北米市場での拡販、中国市場での販売基盤確立、新規市場としてオーストラリアでの販売開始検討)の拡大、日本市場における注力販売製品分野(大腿骨頸部転子部骨折治療分野、脊椎固定器具分野、人口股関節分野)のシェア拡大、業務効率化とSCM強化を推進する。

 高齢化社会到来を背景に市場は拡大基調である。中期的にも自社製品拡販が牽引して収益拡大基調が期待される。

■株価は下値固め完了して戻り歩調

 株価は1000円近辺で下値固め完了して戻り歩調だ。3月4日には1167円まで上伸した。出直りを期待したい。3月6日の終値は1127円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS56円82銭で算出)は約20倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間9円で算出)は約0.8%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS501円24銭で算出)は約2.2倍、時価総額は約298億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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