【編集長の視点】綿半HDは続落もアベルネットの早期戦力化の月次動向を手掛かりにディフェンシブ株買いは継続
- 2019/3/8 08:04
- 編集長の視点
綿半ホールディングス<3199>(東1)は、前日7日に40円安の2211円と3日続落して引けた。日経平均株価が、3日続落しフシ目の2万1500円を1週間ぶりに割ったことから、同社株も目先の利益を確定する売り物に押された。ただ取引時間中に引いた下ヒゲで25日移動平均線を確認し、大引けにかけ20円幅引き戻しおり、下値には依然としてディフェンシブ株買いが継続した。今年2月8日に開示した2019年1月度の月次動向で、昨年12月に連結子会社化した通販サイト運営のアベルネット(東京都台東区)の早期戦力化で全店ベースの売り上げと客単価が、前年同月実績を上回って推移しており、近く発表予定の2月の月次動向発表を先取り今2019年3月期業績の4期連続の過去最高更新に拍車が掛かるとして買い増勢となっている。
――――昨年12月のアベルネット子会社化で全店売り上げ、客単価がプラス転換――――
アベルネットは、インターネット通販の黎明期の1998年に設立され、通販サイト「PCボンバー」で家電・パソコンなどを販売、この20年超にわたり蓄積したノウハウを活用して商品展開を多様化しており、綿半HDは、昨年12月に総額20億6500万円で子会社化し、綿半HD自身の通販事業とのシナジー効果を高める。月次動向には全店売り上げ増と客単価のアップとしてこの効果が早期に表面化、今年1月月次では全店売り上げが前年同月比16.3%増、客単価が同16.7%増と2カ月連続のプラスとなった。
今2019年3月期業績は、今期第3四半期(2018年4月~12月期、3Q)利益が減益転換したが、3カ月決算として今期第1四半期・第2四半期実績より売り上げ、利益とも上回っており、通期業績は期初予想通りに売り上げ1028億1000万円(前期比0.4%増)、営業利益24億4100万円(同4.1%増)、経常利益26億400万円(同4.1%増)、純利益15億3600万円(同3.6%増)と4期連続の過去最高更新を見込んでいる。年間配当も、前期は普通配当27円に創業420周年の記念配当5円を上乗せして年間32円(前々期実績26円)と大幅増配し、今期は年間32円を継続、普通配当は連続増配を予定している。
――――2番底から上値抵抗線の25日線を上抜き最高値からの下落幅の3分の1戻しへ――――
株価は、昨年12月に世界同時株安の波及で昨年来安値1926円へ突っ込み、12月月次動向の持ち直しをテコに売られ過ぎとして2234円へリバウンド、今期3Q業績の伸び悩みでほぼ往って来いとなったが、1950円安値で踏み止まって2番底を形成、1月月次動向の続伸で2400円高値まで買い直され、これまで上値抵抗線となっていた25日移動平均線を上抜いた。PERは14倍台とホームセンター株として相対的に割り負け、逆日歩のつく信用好需給もオンしてまず昨年2月の上場来高値4875円から昨年来安値への下落幅の3分の1戻しの2900円奪回が次の上値フシとして意識されよう。(本紙編集長・浅妻昭治)