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朝日ラバーは下値固め完了感、19年3月期減益予想だが20年3月期収益改善期待
- 2019/3/13 07:08
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
朝日ラバー<5162>(JQ)は、シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装LED照明光源カラーキャップ、RFIDタグ用ゴム製品などを展開している。19年3月期減益予想だが、20年3月期の収益改善を期待したい。株価は売り一巡して下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。
■自動車内装LED照明の光源カラーキャップが主力
シリコーンゴムや分子接着技術をコア技術として、自動車内装照明関連、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などの工業用ゴム事業、およびディスポーザブル用ゴム製品などの医療・衛生用ゴム事業を展開している。
自動車内装照明関連は、車載用小型電球の光源カラーキャップ「ASA COLOR LAMPCAP」や、車載用LED照明の光源カラーキャップ「ASA COLOR LED」が主力製品である。
18年3月期のセグメント別売上構成比は工業用ゴム事業84.5%、医療・衛生用ゴム事業15.5%、分野別売上構成比は車載・照明43.9%、医療・ライフサイエンス15.8%、その他39.4%である。
第12次三カ年中期経営計画「V-2計画」では経営目標値に20年3月期売上高70~80億円、営業利益率8%以上を掲げている。事業分野を車載・照明、医療・ライフサイエンス、その他(卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品など)に再編し、新たな付加価値の創造や、ゴム技術を生かした機構部品の創造を推進している。
技術開発では、RFIDタグ用ゴム製品で培った技術を活用した簡易睡眠ポリグラフ検査用着衣型ウェアラブルシステム、風車用プラズマ気流制御用電極、視認性に優れ疲労低減特性のある自動車内装照明用LEDなどの開発を推進している。
18年7月には、プラズマ気流制御電極開発事業が平成30年度福島県産総研連携再生可能エネルギー等研究開発補助事業補助金の研究テーマとして採択された。18年8月には、原案作成から参画してきた「照明器具用白色シリコーンインキ塗膜」に関するJIS規格が制定された。
■19年3月期減益予想だが20年3月期収益改善期待
19年3月期連結業績予想(2月7日に利益を下方修正)は、売上高が18年3月期比3.4%増の77億89百万円、営業利益が3.9%減の5億39百万円、経常利益が4.2%減の5億65百万円、純利益が13.4%減の3億98百万円としている。配当予想は18年3月期と同額の年間20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。予想配当性向は22.7%となる。
第3四半期累計は、売上高が前年同期比8.5%増の60億28百万円、営業利益が8.5%増の4億71百万円、経常利益が7.1%増の4億87百万円、純利益が2.0%増の3億22百万円だった。
工業用ゴム事業が9.4%増収・12.7%増益と牽引した。自動車内装照明用のASA COLOR LEDが第3四半期にやや減速したが、スポーツ用ゴム製品の卓球用ラケットラバー、認証・認識ビジネスに対応するRFIDタグ用ゴム製品が第3四半期も好調だった。医療・衛生用ゴム事業は3.8%増収・15.9%減益だった。ディスポーザブル用ゴム製品のプレフィルドシリンジ(薬液充填済注射器)用ガスケットや採血用・薬液混注用ゴム栓などが堅調だったが、売上構成変化などで減益だった。
第3四半期累計は増収増益と順調だったが、通期ベースでは将来の事業展開を見据えた材料開発、工程改善、ものづくり構築に関する先行投資、および中途採用による費用の増加などで減益予想としている。20年3月期の収益改善を期待したい。
■株価は売り一巡して下値固め完了感
株価は12月安値679円まで下押すことなく、売り一巡して下値固め完了感を強めている。出直りを期待したい。3月12日の終値は777円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS88円00銭で算出)は約9倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は約2.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS958円48銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約36億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)