- Home
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
- ラ・アトレは出直り期待、19年12月期は3期連続経常最高益更新・増配予想
ラ・アトレは出直り期待、19年12月期は3期連続経常最高益更新・増配予想
- 2019/3/14 08:50
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ラ・アトレ<8885>(JQ)は、新築分譲マンションなどの新築不動産販売、リノベーションマンションなどの再生不動産販売を主力として、周辺ビジネスや海外展開も強化している。19年12月期は3期連続経常最高益更新・増配予想である。株価は戻り一服の形となったが、調整一巡して出直りを期待したい。
■新築不動産販売、再生不動産販売が主力
新築分譲マンションなどの新築不動産販売、リノベーションマンションなどの再生不動産販売を主力として、不動産事業を展開している。
18年12月期のセグメント別売上構成比は不動産販売事業91%(新築不動産販売42%、再生不動産販売49%)、不動産管理事業7%、その他2%、営業利益構成比は不動産販売事業76%(新築不動産販売43%、再生不動産販売33%)、不動産管理事業24%だった。なお物件引き渡し数・時期によって変動しやすい収益特性がある。
■周辺ビジネスや海外展開への取り組みを強化
首都圏における戸別リノベーションマンション仕入・販売強化、綿密なマーケティングに基づく新築マンション販売、高齢者住宅施設・宿泊施設・商業施設など収益不動産開発・取得による保有資産ポートフォリオ充実、福岡や京都など地方中核都市への展開、新規事業・M&Aによる不動産周辺ビジネス・海外展開への取り組みを強化している。
不動産管理事業ではストック型ビジネスとなる管理・賃料収入の拡大を推進している。またインバウンド需要も含めた多言語対応・長期滞在型のLAホテル京都を17年2月、LAホテル福岡を18年6月オープンした。LAホテル京都2、LAホテル札幌にも着手している。
不動産周辺ビジネスへの取り組みも強化している。17年1月合弁会社ラ・アトレペイメントを設立して家賃保証事業に参入、17年6月独立系投資銀行ストームハーバー証券と業務協力覚書を締結、18年3月アクロディア<3823>およびファイバーゲート<9450>とIoTを活用した不動産開発に関する業務協力覚書を締結した。なお18年12月、インカムゲイン型不動産事業におけるポートフォリオ見直しに伴う資産入れ替えで、100%出資子会社の合同会社周南開発の持分全部を売却した。
海外はカンボジアの子会社がプノンペンで、日系上場企業として初となる高級コンドミニアム開発プロジェクトを推進している。20年12月期に竣工・引き渡し予定である。
■東証本則市場へのステージアップ目指す
中期経経営計画(19年12月期~21年12月期)では、目標数値に21年12月期の売上高201億76百万円、営業利益18億54百万円、経常利益15億30百万円、純利益10億66百万円を掲げている。
基本テーマとしては、東証本則市場へのステージアップ、事業ポートフォリオ拡大=マルチチャネル化推進、経営指標の再構築と実践的財務戦略の実現、中期的企業価値向上を意識した報酬ガバナンスの整備、創業30周年(20年)に向けた準備と次なる挑戦の設定を掲げている。
■19年12月期は3期連続経常最高益更新・増配予想
19年12月期連結業績予想は、売上高が18年12月期比97.3%増の152億30百万円、営業利益が14.0%増の13億64百万円、経常利益が17.0%増の11億円、純利益が22.2%増の7億63百万円としている。3期連続経常最高益更新予想である。配当予想は3円増配の年間17円(期末一括)としている。予想配当性向は11.8%となる。
新築分譲マンションでラ・アトレレジデンス新百合ヶ丘、収益不動産(都心型店舗開発)でA*G中目黒、A*G高円寺の引き渡しを計画し、販売価格が1戸2億円を超える「200Million-Renovation」の取り扱いも拡大する。不動産管理は保有資産入れ替えで収益を底上げする。好業績を期待したい。
■株主優待制度は年2回、6月末と12月末の株主対象
株主優待制度は年2回、毎年6月末と12月末を基準日として実施している。1単元(100株)以上~5単元未満保有株主に対してクオカード500円分、5単元以上保有株主に対してクオカード1000円分を贈呈する。
■株価は調整一巡して出直り期待
株価は戻り一服の形となったが、調整一巡して出直りを期待したい。3月13日の終値は672円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS144円65銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間17円で算出)は約2.5%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS605円54銭で算出)は約1.1倍、時価総額は約35億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)