【アナリスト水田雅展の銘柄分析】インフォメーションクリエーティブはマイナンバー制度関連のテーマ性、再動意で3月高値目指す

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 ソフトウェア開発やシステム運用のインフォメーションクリエーティブ<4769>(JQS)の株価は、マイナンバー制度関連で急騰した3月の上場来高値1585円から利益確定売りで反落したが、1000円近辺から切り返しの動きを強めている。7日は1130円まで戻した。再動意で3月高値を目指す展開だろう。

 ソフトウェア開発事業、システム運用事業、その他事業(パッケージ開発・販売)を展開し、顧客に常駐する型で情報サービス分野における総合的なソリューションサービスを提供している。顧客別に見ると日立システムズや日立ソリューションズなど、日立製作所<6501>グループ向けが全体の約6割を占めて収益源となっていることも特徴だ。

 13年11月発表の新中期経営計画(14年9月期~16年9月期)では、基本戦略としてソフトウェア開発・システム運用などのITソリューション事業の安定成長、自社パッケージ開発・販売のITサービス事業の成長加速、強固な人材・組織基盤の構築を推進している。

 経営目標値は16年9月期売上高80億円(ITソリューション事業76億円、ITサービス事業4億円)、売上高経常利益率8.0%を掲げ、長期ビジョンでは100億円企業、東証2部上場を目指している。

 14年6月には美容室・サロン向けスマホアプリ制作サービス「LAPPLI(ラプリ)」をリリースし、11月には美容サロンの情報を無料掲載できる美容ポータルサイト「LAPOLU(ラポル)」を開始した。スマホアプリ制作サービス「LAPPLI」との機能連携強化や美容情報などのコンテンツ充実により、15年9月末までに500店舗のサービス利用を目指すとしている。

 今期(15年9月期)の業績(非連結)見通し(11月7日公表)は売上高が前期比10.1%増の71億34百万円、営業利益が同17.1%増の4億05百万円、経常利益が同14.4%増の4億37百万円、純利益が同2.8倍の2億76百万円、配当予想が前期と同額の年間24円(期末一括)としている。

 大型のIT関連投資案件が見込まれる金融機関向け、マイナンバー制度関連のシステム整備案件が見込まれる官公庁向けを中心として、ソフトウェア開発の需要が拡大する見通しだ。利益面では前期の一部案件の作業超過発生の影響が一巡し、純利益は前期計上の特別損失(ソフトウェアの減損および投資不動産の減損)一巡も寄与する。

 第1四半期(10月~12月)は前年同期比6.0%増収、同23.0%営業減益、同18.1%経常減益、同4.8倍最終増益だった。売上総利益率の低下、販管費の増加で営業減益だったが、売上面は好調に推移し、純利益は減損損失の一巡が寄与した。

 通期見通しに対する第1四半期の進捗率は売上高が22.4%、営業利益が17.8%、経常利益が18.5%、純利益が18.1%だったが、第2四半期(1月~3月)および第4四半期(7月~9月)の構成比が高い収益構造であり、通期ベースでは好業績が期待される。

 株価の動きを見ると、マイナンバー制度関連を材料視して急騰した3月16日の上場来高値1585円から利益確定売りで反落したが、急騰前のモミ合い水準800円近辺まで下押すことなく、4月2日と3日の1006円から切り返しの動きを強めている。7日は1130円まで戻した。売り一巡して再動意の構えのようだ。

 4月7日の終値1126円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS72円13銭で算出)は15~16倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間24円で算出)は2.1%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS869円73銭で算出)は1.3倍近辺である。

 日足チャートで見ると一旦割り込んだ25日移動平均線を素早く回復した。また週足チャートで見ると13週移動平均線が接近してサポートラインとなりそうだ。指標面に割高感はなく、再動意で3月高値を目指す展開だろう。

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