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カナモトは売り一巡、19年10月期1Q減益だが通期増益・4期連続増配予想
- 2019/3/19 07:18
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
カナモト<9678>(東1)は建設機械レンタルの大手である。北海道を地盤として全国展開と業容拡大を推進し、長期ビジョンで海外展開を成長エンジンと位置付けている。19年10月期第1四半期は減益だったが、通期は増益・4期連続増配予想である。株価は第1四半期業績を嫌気する形となったが、売り一巡して出直りを期待したい。
■建設機械レンタル大手、成長エンジンとして海外展開を強化
建設機械レンタルを主力として、海外向け中古建設機械販売、土木・建築工事用鉄鋼製品販売、IT機器・イベント関連レンタル、福祉用具レンタルなども展開している。M&Aも積極活用し、北海道を地盤として全国展開と業容拡大を加速している。18年10月期の売上高構成比は建設関連事業89.5%、その他事業(鉄鋼関連事業、情報通信関連事業、福祉関連事業など)10.5%だった。
18年2月には子会社ニシケンが、フジモトHDから福祉サービスのビップケアウエル安心の株式を譲り受けた。福祉用具レンタル事業で関東に進出する。18年8月には建機レンタルのサンワ機械リース(北海道釧路市)の全株式を取得(非連結子会社化)した。18年8月四日市営業所(三重県)を開設し、全国営業拠点数は195拠点、グループ合計491拠点となった。
55期の19年を見据えたグループの目指す姿を長期ビジョン「BULL55」として示し、海外展開強化を今後の成長エンジンと位置付けている。なお中国事業を再構築するため、連結子会社である上海金和源建設工程有限公司の全出資持分を18年10月譲渡した。19年3月にはマレーシアに設立した合弁会社が営業開始した。
収益面では公共工事の影響を受けやすく、建設関連のため売上高が第4四半期(8~10月)から第1四半期(11月~1月)にかけてピークとなり、第2四半期(2~4月)および第3四半期(5~7月)は減少する季節特性がある。
■19年10月期1Q減益だが通期増益・4期連続増配予想
19年10月期連結業績予想は、売上高が18年10月期比4.5%増の1757億円、営業利益が4.5%増の184億円、経常利益が4.3%増の187億円、純利益が1.2%増の120億円としている。配当予想は5円増配の年間65円(第2四半期末25円、期末40円)としている。4期連続増配で予想配当性向は21.0%となる。
第1四半期は、売上高が前年同期比4.4%増の441億26百万円、営業利益が27.1%減の39億13百万円、経常利益が27.7%減の40億10百万円、純利益が27.5%減の24億82百万円だった。需要が高水準に推移して増収だが、需要に対応するための設備投資に伴う減価償却費の増加で減益だった。
通は全国的なインフラ再整備工事、主要都市での再開発工事、自然災害復旧・復興工事など、建機レンタル需要が高水準に推移して増益予想である。好業績を期待したい。
■株価は売り一巡して出直り期待
株価は第1四半期業績を嫌気する形で3月11日に昨年来安値となる2423円まで下押したが、その後は売り一巡感を強めている。出直りを期待したい。3月18日の終値は2622円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS310円81銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間65円で算出)は約2.5%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2707円49銭で算出)は約1.0倍、時価総額は約1016億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)