【新規上場(IPO)銘柄】 ギークスは20日に上場、事業環境は明るく上値伸ばす

株式市場 IPO 鐘

 ギークス<7060>(東マ)は、3月20日に東京証券取引所マザーズに上場した。同社グループは「21世紀で最も感動を与えた会社になる」というグランドビジョンのもと、創業事業であるIT人材事業を主軸する同社と、その他グループ会社2社を含む全5業種で構成されている。「IT人材事業」、「IT人材育成事業」、「ゲーム事業」、「動画事業」、「インターネット事業」を運営している。
 IT人材事業では、ITフリーランスの働き方を支援すると同時に、企業の経営課題である「人材確保」を解決するため、IT人材ニーズの高い企業へITフリーランスを紹介するマッチングプラットフォームを担っている。社外リソースの有効的 かつ効率的な活用を提案している。正社員として採用しなければならないという固定概念にとらわれず、スキルを持った優秀な人材を社会全体でシェアリングするという考え方で、同社はこれから拡大するフリーランス市場を牽引する想いで本事業に取り組んでいる。

 IT人材育成事業では、不足するIT人材を生み出す活動として、フィリピンを拠点とする海外グループ会社NexSeedにて、学生・社会人や法人顧客向けのテックスクールを運営している。本事業と同社のIT人材事業の連携をより強化し、同社グループの成長を加速させている。

 ゲーム事業では、株式会社バンダイナムコオンラインから受託開発した「アイドリッシュセブン」及び株式会社バンダイナムコエンターテインメントと共同開発した「ツキノパラダイス。(ツキパラ。)」を運営している。また、「アイドリッシュセブン」の初の海外版となる繁体字版を18年6月に配信を開始。株式会社スクウェア・エニックスから受託開発した「ワールドエンドヒーローズ」については同年11月に配信開始している。

 動画事業では、遊技機向けのプロモーション動画制作や新たなプロダクトとして、VR< br>(バーチャルリアリティ)やMR(ミックスドリアリティ)等の新技術を活用した案件獲得に注力している。

 インターネット事業では、新規事業としてゴルフ業界向けのインターネットサービスを積極的に進めており、主にゴルファー向けの情報サイト「Gridge」の運営を主軸とし、利用ユーザーの獲得に向けて積極的な先行投資を実施している。顧客企業であるメーカー各社に向けては、商品記事制作や動画・リアルイベント等を連動させた販売促進・PR活動の支援を行っている。

 2019年3月期第3四半期業績実績は、売上高23億6100万円、営業利益4億7800万円、経常利益4億7200万円、純利益3億9600万円に着地。IT人材事業で、企業のインターネット関連ける各 種ウェブサービス、ゲーム、フィンテック、人工知能、IoT分野において、ITフリーランスの需要が高くマッチング依頼が増加し、継続契約数が増加。IT人材育成事業で、エンジニア留学が好調に推移。動画事業で、特に遊技機向けのプロモーション動画制作の売上が好調に推移したことが寄与した。

 19年3月期業績予想は、売上高30億5600万円(前期比18.4%増)、営業利益5億2100万円(同37.2%増)、経常利益5億0700万円(同33.7%増)、純利益3億8700万円(同39.4%増)を見込む。上場で調達した資金は、ITフリーランスの登録者数増加のための広告宣伝費に充てる計画で、投資を優先し、年間配当予想は、無配を予定としている。

 株価は 、上場初日の3月20日に公開価格1930円を50.3%上回る2900円で初値をつけ、同26日高値4080円と上昇している。慢性的なIT人材不足を背景に、同社を取り巻く事業環境は明るいほか、大手ゲーム配信事業者とのパートナーシップにより数々のヒットタイトルを手がけるスマートフォン向けゲーム制作や、VR・AR・MR・ホログラムなどの新技術を活用した動画コンテンツ制作によって成長が続くとの期待が膨らんでいる。需給面の良好な好業績のIPOとして上値を伸ばす可能性は高そうだ。(株式評論家・信濃川)

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