- Home
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
- エイジアは戻り試す、19年3月期2桁増収増益・増配予想で20年3月期も収益拡大基調
エイジアは戻り試す、19年3月期2桁増収増益・増配予想で20年3月期も収益拡大基調
- 2019/4/1 06:05
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
エイジア<2352>(東1)はメール配信システムの大手である。中期成長に向けてAI(人工知能)を活用した新サービスを強化している。19年3月期2桁増収増益・増配予想である。そして20年3月期も収益拡大基調だろう。株価は水準を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。なお5月13日に19年3月期決算発表を予定している。
■メール配信などe-CRMシステム「WEBCAS」シリーズが主力
自社開発e-CRMシステムのWEBCASシリーズを提供するアプリケーション事業を主力として、システム受託開発なども展開している。18年3月期セグメント別売上高構成比はアプリケーション事業81%、コンサルティング事業18%、オーダーメイド開発事業1%である。
メール配信システム「WEBCAS e-mail」は、顧客の嗜好、属性、購買履歴などに基づいたOne to Oneメールを、世界トップレベルの最高300万通/時で送信することが可能な超高速性が強みである。多様な業界の企業や官公庁に導入され、国内メール配信パッケージ市場でシェア1位である。
WEBCASシリーズはメール配信システム「WEBCAS e-mail」を中心として、メール共有システム「WEBCAS mailcenter」などをラインナップに抱えるe-CRMアプリケーションシリーズである。17年9月にはWEBCASシリーズ導入企業が4000社を突破している。マーケティングオートメーション「WEBCAS Auto Relations」や、人工知能アルゴリズムを駆使した感性分析型テキストマイニングシステム「WEBCAS Sense Analyzer」も展開している。
収益面ではシステム開発関連のため下期の構成比が高い特性がある。またクラウドサービスが拡大してストック型構造の特性を強めている。
■20年3月期営業利益5億02百万円目標
中期経営計画ではビジョンに「クロスチャネル対応マーケティングプラットフォーム構築」を掲げ、人工知能を活用したマーケティング革新に取り組んでいる。目標値には20年3月期売上高18億70百万円、営業利益5億02百万円、経常利益5億05百万円、純利益3億25百万円を掲げている。
18年1月マレーシアData Cohorts社と戦略的パートナーシップ協定締結、18年3月パーソナル人工知能「SENSY」を開発する慶応大学発AIベンチャーのSENSY社と業務提携、18年5月モバイルソリューション製品開発・販売のAOSモバイルと業務提携、18年7月乗り換え案内サービス「駅すぱあと」を提供するヴァル研究所と業務提携、18年8月ベビー服ECサイト「べびちゅ」運営の子会社ままちゅを設立して18年9月ハモンズからベビー服ECサイト運営事業を譲り受けた。
18年12月にはWebアンケートシステム「WEBCAS formulator」と、GMOリサーチのインターネットリサーチ用パネル「Japan Cloud Panel」を連携させたインターネットリサーチサービスを開始した。
■19年3月期2桁増収増益・増配予想、20年3月期も収益拡大基調
19年3月期連結業績予想(子会社新設に伴って10月31日に売上高を90百万円上方修正)は、売上高が18年3月期比17.5%増の17億90百万円、営業利益が20.6%増の4億20百万円、経常利益が16.0%増の4億20百万円、純利益が16.4%増の2億75百万円としている。配当予想は2円増配の年間20円(期末一括)で、予想配当性向は29.6%となる。
第3四半期累計は、売上高が前年同期比14.0%増の12億30百万円、営業利益が10.9%増の2億49百万円、経常利益が5.7%増の2億45百万円、純利益が6.0%増の1億58百万円だった。主力のアプリケーション事業(7.8%増収)におけるクラウドサービス(8.6%増収)が牽引して増収、2桁営業増益だった。コンサルティング事業(14.5%増収)では、子会社FUCAにおける体制構築が奏功してWeb制作を中心とするデザインサービスが伸長した。
第3四半期累計の進捗率は売上高68.7%、営業利益59.3%である。通期でもクラウドサービスの大幅伸長を見込み、2桁増収増益予想である。好業績を期待したい。そして20年3月期も収益拡大基調だろう。
■株主優待制度は毎年3月末の株主対象
株主優待制度は、毎年3月31日現在の1単元(100株)以上保有株主を対象としてクオカード1000円分を贈呈する。
■株価は戻り試す
株価は12月安値985円から水準を切り上げている。3月19日には1464円まで上伸した。戻りを試す展開を期待したい。3月29日の終値は1367円、前期推定連結PER(会社予想連結EPS68円46銭で算出)は約20倍、前期推定配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は約1.5%、前々期実績連結PBR(前々期実績連結BPS366円08銭で算出)は約3.7倍、時価総額は約60億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)