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エイトレッドは調整一巡、19年3月期大幅増収増益予想で20年3月期も収益拡大期待
- 2019/4/1 05:59
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
エイトレッド<3969>(東1)はワークフローを電子化する「ワークフローシステム」を開発・販売している。19年3月期大幅増収増益予想で再上振れ余地がありそうだ。導入企業数・クラウド利用数が増加基調であり、20年3月期も収益拡大を期待したい。株価は1月の戻り高値から反落したが、調整一巡して出直りを期待したい。
■国内ワークフローシステム市場でシェア1位
ソフトクリエイトホールディングス<3371>の連結子会社で、ワークフローを電子化する「ワークフローシステム」を開発・販売している。
ワークフローというのは、企業における稟議書、経費精算申請書、各種届け出書などの作成~申請~回覧~承認~保存~履歴管理のように、企業内における業務・事務処理手続きの一連の流れ・プロセスのことである。
このワークフローをコンピュータに組み入れて、従来の紙文書での手書き・回覧作業を、パソコン・スマホ入力で電子文書化することによって、業務負担の軽減、ペーパーレス化、回覧に要する時間の短縮、書類の紛失防止など、業務効率化・迅速化やセキュリティ向上を実現するシステムが「ワークフローシステム」である。
主力製品は、パッケージ型の小規模・中規模企業向けX-point(エクスポイント)、中規模・大規模企業向けAgileWorks(アジャイルワークス)、クラウド型の小規模企業向けX-point Cloud(エクスポイントクラウド)である。17年5月にはクラウドアプリプラットフォームのATLED Work Platformの提供を開始した。
03年X-point販売開始以来、スモールビジネスから大手企業まで2000社を超えるパッケージ製品導入実績を誇り、国内ワークフローシステム市場においてシェア1位である。
パッケージ導入企業数、クラウド利用ユーザー数とも増加基調であり、ストック型収益(サービス&サポート)比率が上昇基調である。販売面では第2位株主であるSCSK<9719>など、幅広い顧客層をカバーする大手SIとのパートナー関係を構築している。
■ワークフローシステムの市場は拡大基調
ワークフローシステムによる電子文書化を導入せず、依然として紙・手書きベースでの業務・事務処理に依存している企業が多いため、ワークフローシステムの潜在市場は大きい。また在宅勤務やテレワークといった働き方改革の推進、企業不祥事防止のための内部統制強化の流れなども背景として、ワークフローシステム市場は拡大基調が期待される。
こうした潜在市場に対応し、中期成長戦略として他社サービスとの連携も強化してクラウドビジネスの拡大を推進する方針だ。
■19年3月期大幅増収増益予想、20年3月期も収益拡大期待
19年3月期の非連結業績予想(1月24日に上方修正)は、売上高が18年3月期比21.0%増の13億40百万円、営業利益が36.0%増の4億41百万円、経常利益が29.5%増の4億20百万円、純利益が23.8%増の2億76百万円としている。配当予想は66銭増配(17年12月17日付株式3分割換算後)の年間11円(第2四半期末5円50銭、期末5円50銭)としている。予想配当性向は27.3%となる。
第3四半期累計は、売上高が前年同期比31.0%増の10億24百万円、営業利益が79.9%増の3億76百万円、経常利益が78.0%増の3億72百万円、純利益が78.8%増の2億44百万円だった。
全国主要都市でのセミナー実施の効果などで導入企業数が順調に増加し、大幅増収増益だった。パッケージソフトは28.9%増収(フロー売上が41.4%増収、ストック売上が17.9%増収)で、注力しているクラウドサービスも37.8%増収と大幅伸長した。
通期ベースでも中・大規模向けパッケージAgileWorksの販売が拡大する見込みだ。第3四半期累計の進捗率は売上高76.4%、営業利益85.3%と高水準である。通期利益予想は再上振れ余地がありそうだ。導入企業数・クラウド利用数が増加基調であり、20年3月期も収益拡大を期待したい。
■株主優待制度は9月末と3月末の年2回
株主優待制度は年2回、毎年9月末および3月末時点の株主を対象として、保有株式数に応じてオリジナルQuoカードを贈呈する。
■株価は調整一巡
株価(19年3月15日付で東証マザーズから東証1部に市場変更)は1月の戻り高値1408円から反落したが、調整一巡して出直りを期待したい。3月29日の終値は1203円、前期推定PER(会社予想のEPS40円33銭で算出)は約30倍、前期推定配当利回り(会社予想の年間11円で算出)は約0.9%、前々期実績PBR(前々期実績BPS212円47銭で算出)は約5.7倍、時価総額は約90億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)