ラクオリア創薬は自律調整一巡、19年12月期黒字化予想

株式市場 銘柄

 ラクオリア創薬<4579>(JQ)は疼痛と消化管疾患を主領域とする創薬ベンチャーである。19年12月期黒字化予想である。なお3月25日付で行使価額修正条項付第15回新株予約権を発行している。株価は急伸した2月の戻り高値から反落したが、自律調整一巡して上値を試す展開を期待したい。

■疼痛と消化管を主領域とする創薬ベンチャー

 ファイザー日本法人の中央研究所を前身として、新規開発化合物の創出を目指す創薬ベンチャーである。炎症および神経性の疼痛と、胃食道逆流症や過敏性腸症候群を代表とする消化器疾患を主な領域としている。新規開発化合物の知的財産権を製薬会社に導出(使用許諾契約によるライセンスアウト)する収益モデルである。

 パイプラインは消化器疾患領域で、胃食道逆流症を適応症とするRQ-00000004、胃不全麻痺・機能性胃腸症・慢性便秘を適応症とするRQ-00000010、下痢型過敏性腸症候群を適応症とするRQ-00310941、胃不全麻痺・機能性胃腸症・術後イレウスを適応症とするRQ-00201894、癌に伴う食欲不振および悪液質症候群を適応症とするRQ-00433412、疼痛領域で神経障害性疼痛(化学療法起因性冷アロディニア)を適応症とするRQ-00434739がある。

 子会社化テムリックは、癌領域に特化した創薬事業を展開している。パイプラインは、再発または難治性の急性前骨髄球性白血病(APL)を主適応症とするレチノイン酸受容体作動薬TM-411(一般名タミバロテン)である。

 なお胃食道逆流症治療薬RQ-00000004導出先である韓国CJ社は19年3月、韓国でK-CABとして販売開始した。18年12月ベトナムVimedimex社とサブライセンス契約を締結、19年2月メキシコCarnot社とサブライセンス契約を締結した。

■19年12月期黒字化予想

 19年12月期連結業績予想は、売上高が20億22百万円、営業利益が1億87百万円の黒字、経常利益が1億95百万円の黒字、純利益が1億53百万円の黒字としている。米国アラタナ社、韓国CJ社からのマイルストンおよびロイヤリティ収入を得て黒字化予想である。

■株価は自律調整一巡

 株価は急伸した2月の戻り高値2210円から反落したが、自律調整一巡して上値を試す展開を期待したい。3月29日の終値は1721円、時価総額は約351億円である。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  2. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…
  3. ■節約志向が市場を動かす?  日本の消費者は、節約志向と低価格志向を持続しており、これが市場に影響…
  4. ■投資家の心理を揺さぶる相場の波  日米の高速エレベーター相場は、日替わりで上り下りと忙しい。とく…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る