アールシーコアは出直り期待、19年3月期赤字予想だが20年3月期収益改善期待

アールシーコア<7837>(JQ)はログハウス「BESS」を販売している。19年3月期はカナダで発生した自然災害の影響などで赤字予想だが、生産革新など先行投資の効果も寄与して20年3月期の収益改善を期待したい。株価は3月の直近戻り高値圏から反落したが、調整一巡して出直りを期待したい。

■ログハウスのオリジナルブランド「BESS」を販売

 自然材をふんだんに使った個性的な木の家であるログハウスのオリジナルブランド「BESS」の販売を、国内直販部門、連結子会社BESSパートナーズ(BP)社、および国内販社で展開している。18年3月期のセグメント別売上構成比は直販部門が31%、販社部門が53%、BP社が16%である。FCを中心とした事業展開で高資本効率を実現している。

 18年3月期末の展示場は42拠点である。18年4月からは単独展示場の呼称を「LOGWAY」に変更し、東京都昭島市に「LOGWAY BESS多摩」をオープンした。東京・代官山「BESS スクエア」および神奈川・藤沢市「BESS 藤沢」に続く3ヶ所目の直営拠点である。また岡山県倉敷市に「LOGWAY BESS倉敷」も新規オープンした。19年には千葉県・木更津地区、福岡県・福岡地区で新規オープンを予定している。

 収益は直販部門とBP社の「BESS」売上、販社からのロイヤリティ収入および販社へのキット部材売上などである。四半期収益は物件引き渡し件数・時期などで変動しやすい特性がある。

 中期経営計画(18年3月期~20年3月期)では目標数値に20年3月期売上高200億円、営業利益率8%、ROE18%、重点戦略にBESSファンが集う「触媒力」の拡大、新時代の暮らし方「梺(ふもと)ぐらし」創出、BESSブランドを旗印とした「販社制度」の強化、そして「生産革新」の実行を掲げている。なお生産革新のBH生産システムは19年3月期下期から施工が本格化する見込みだ。

■19年3月期赤字予想だが20年3月期収益改善期待

 19年3月期の連結業績予想(11月13日に下方修正、1月31日に2回目の下方修正)は、売上高が18年3月期比5.0%減の128億円、営業利益が5億80百万円の赤字(18年3月期は4億45百万円の黒字)、経常利益が6億円の赤字(同4億55百万円の黒字)、純利益が5億円の赤字(同3億64百万円の黒字)としている。特別利益には有価証券売却益を計上予定である。配当予想は2円増配の年間50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。連続増配である。

 17年にカナダ西海岸で発生した大規模な山火事や水害等の自然災害に端を発した原木供給の減少、米国や中国における旺盛な木材需要の影響で、カントリーログに必要な大口径の良質なカナダ材の確保が困難となり、顧客や販社に対する部材の納品が遅延した。このため売上高が計画を下回る。

 利益面では、減収に伴う売上総利益の減少、拠点来場促進のための広告宣伝費・販促費の増加、BH生産システム稼働などの先行投資に加えて、経営難に陥った販社の一部拠点について連結子会社BESSパートナーズが運営することになったため、損失発生見込額を第3四半期に計上した。運営費用も増加する。

 なお第3四半期累計は、売上高が前年同期比9.4%減の85億87百万円、営業利益が7億80百万円の赤字(前年同期は84百万円の黒字)、経常利益が7億80百万円の赤字(同1億01百万円の黒字)、純利益が5億36百万円の赤字(同96百万円の黒字)だった。業績先行指標となる全国展示場への新規来場者数は8.1%増加し、再来場者数は6.1%増加した。また契約(受注)高は3.8%増の96億59百万円、契約残高は107億70百万円となった。

 19年3月期赤字予想だが受注は順調である。20年3月期は営業強化や生産革新など先行投資の効果で収益改善を期待したい。

■株主還元はDOEを重視、株主優待は3月末と9月末の株主対象

 利益配分については、DOE(純資産配当率)を重視した長期的視点での安定配当を行うことを基本とし、当面はDOEを7%程度まで高めることを目標としている。株主優待制度は毎年3月末および9月末時点の株主を対象として、年2回実施している。

■株価は出直り期待

 株価は3月6日の直近戻り高値1094円から反落したが、調整一巡して出直りを期待したい。4月1日の終値は1006円、前期推定配当利回り(会社予想年間50円で算出)は約5.0%、前々期実績連結PBR(前々期実績連結BPS1095円44銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約45億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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