ケイアイスター不動産は下値固め完了、19年3月期大幅増収増益予想で20年3月期も収益拡大期待

 ケイアイスター不動産<3465>(東1)は首都圏中心に戸建分譲などの不動産事業を展開し、M&A・アライアンスも積極活用して「不動産×IT」を推進している。19年3月期大幅増収増益予想である。20年3月期も収益拡大を期待したい。株価は反発力の鈍い展開だが、下値固め完了して出直りを期待したい。

■戸建分譲や注文住宅などの不動産事業

 首都圏中心に1次取得層向けの戸建分譲や注文住宅などの不動産事業を展開している。分譲住宅は「デザインのケイアイ」を標榜し、住宅ローンが家賃以下となる販売価格設定で「高品質だけど低価格」の住宅を提供している。

 販売促進に向けて不動産仲介会社の組織化を図り、17年2月「KEIAI.NET」をスタートさせた。順次エリアを拡大させて加盟店数は18年3月期末に132となった。AIによる仲介会社向け商談サポートシステムを導入し、中期的に不動産ネットワークにおける加盟店数全国NO.1を目指す方針だ。

 18年3月期の売上構成比は、分譲住宅事業76%、注文住宅事業6%、中古住宅事業2%、よかタウン事業(子会社よかタウンが分譲住宅・注文住宅)12%、旭ハウジング事業(子会社旭ハウジングが神奈川県中心に分譲住宅)3%、その他1%だった。販売棟数は分譲住宅事業が17年3月期比454棟増加の1905棟、注文住宅事業が67棟減少の283棟、中古住宅事業が23棟減少の37棟、よかタウン事業が23棟減少の188棟、旭ハウジング事業が29棟だった。

 19年3月期第2四半期からフレスコ事業(18年8月連結子会社化したフレスコおよびフレスコの子会社おゆみ野住宅が千葉県中心に注文住宅)を追加した。18年12月には海外展開への足掛かりとして、米国ハワイ州ホノルルにて不動産業を展開するLLHR社と業務提携した。19年1月には持分法適用関連会社の建新の株式を追加取得して連結子会社化した。

 4月16日には千葉県柏市中心に不動産売買・仲介を行うBRエステートを子会社化(4月26日株式譲渡予定)すると発表した。

■M&A・アライアンスを積極活用して「不動産×IT」推進

 M&A・アライアンスを積極活用して「不動産×IT」を推進している。18年4月IoT家具・建具等の木工製品を製造するKAMARQ(シンガポール)と戦略的資本業務提携、18年6月スマートセキュリティソリューション事業のSecualと戦略的資本業務提携した。18年11月には工期短縮・生産性向上に向けて、エスクロー・エージェント・ジャパン<6093>の連結子会社ネグプランと業務提携した。

■19年3月期大幅増収増益予想、20年3月期も収益拡大期待

 19年3月期の連結業績予想は、売上高が18年3月期比33.9%増の858億40百万円、営業利益が20.4%増の63億80百万円、経常利益が14.3%増の60億40百万円、純利益が17.9%増の40億円としている。M&Aや不動産ネットワーク拡大など積極的な事業展開で大幅増収増益予想である。配当予想は13円増配の年間84円(第2四半期末42円、期末42円)としている。予想配当性向は29.8%となる。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比66.5%増の711億48百万円、営業利益が19.8%増の41億17百万円、経常利益が18.6%増の39億63百万円、純利益が13.4%増の23億51百万円だった。売上高、利益とも第3四半期累計として過去最高だった。

 売上面では、営業強化にフレスコ事業の新規連結も寄与して大幅増収だった。利益面では、財務体質改善を目的として回転期間の長くなった在庫の早期販売に努めたため売上総利益率が低下し、売上増加に伴って仲介手数料が増加したが、大幅増益だった。

 販売棟数は分譲住宅事業が746棟増加の1998棟、注文住宅事業が147棟減少の78棟、中古住宅事業が66棟増加の95棟、よかタウン事業の注文住宅が71棟増加の212棟、よかタウン事業の分譲住宅が127棟増加の203棟、旭ハウジング事業が87棟増加の98棟、フレスコ事業(19年3月期第2四半期から新規連結)の注文住宅が54棟、フレスコ事業の分譲住宅が16棟だった。

 第3四半期累計は大幅増収増益と順調だった。通期も好業績が期待される。そして20年3月期も収益拡大を期待したい。

■株主優待は9月末の株主対象

 株主優待制度は毎年9月30日時点で1単元以上保有株主を対象として、保有株式数に応じてQUOカードを贈呈している。

■株価は下値固め完了

 株価は反発力の鈍い展開だが、下値固め完了して出直りを期待したい。4月17日の終値は1671円、前期推定連結PER(会社予想連結EPS281円86銭で算出)は約6倍、前期推定配当利回り(会社予想の年間84円で算出)は約5.0%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS936円02銭で算出)は約1.8倍、時価総額は約238億円である。なお平成30年度「なでしこ銘柄」に選定されている。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  2. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…
  3. ■節約志向が市場を動かす?  日本の消費者は、節約志向と低価格志向を持続しており、これが市場に影響…
  4. ■投資家の心理を揺さぶる相場の波  日米の高速エレベーター相場は、日替わりで上り下りと忙しい。とく…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る