【新規上場(IPO)銘柄】ポートはSBI証券との共同開発に期待感、レンジ下限は買い妙味

株式市場 IPO 鐘

ポート<7047>(東マ)は、昨年12月21日に東京証券取引所マザーズと福岡証券取引所Q-Boardに上場。同社は、「世界中に、アタリマエとシアワセを。」というコーポレーション・ミッションのもと、「あったらいいな」でなく、「無くてはならない」を創造し、インターネットメディア事業を行っている。キャリア(雇用)領域では、就活特化型メディア「キャリアパーク!」。ファイナンス(金融)領域では、カードローン・FX「マネット」。メディカル(医療)領域では、生活習慣特化型メディア「オンラインクリニック」を運営している。バーティカルメディアであるため、ユーザーのニーズに合ったコンテンツと訴求する広告の効果も非常に高く、メディア内でのユーザーのアクション が活発化され、多くの行動データを取得することが可能となっており、そのデータを収集、統合、活用することで、バーティカルメディアの参入領域の拡張や、リアルプロダクトを自社開発し、「メディア×リアル」で一気通貫したサービスを提供して

 足元の業績は、前2019年3月期第3四半期業績実績が、売上高20億6200万円、営業利益3億2500万円、経常利益3億1400万円、純利益2億6000万円に着地。全体の売上高は前年同期に比べ77%増収。領域別の売上高では、キャリア領域12億3800万円(前年同期比74%増)、ファイナンス領域8億0800万円(同81%増)、その他領域1500万円(同200万円)と増加。キャリアの累計会員数も20万人を突破し、営業利益は前年同期1億9000万円の赤字に対し、大幅増益となっている。

 前19年3月期業績予想は、売上高28億2500万円(前の期比46.3%増)、営業損益5億6000万円の黒字(同1億3300万円の赤字)、経常損益5億5100万円の黒字(同1億3600万円の赤字)、最終損益4億6800万円の黒字(同1億3700万円の赤字)を見込む。第3四半期営業利益は年計画に対する進捗率58%だが、キャリア領域は売上高、利益ともに第4四半期に大きく伸長する傾向があり、通期営業利益は達成する見通し。年間配当予想は、無配を予定している。

 株価は、昨年12月25日につけた上場来の安値885円から1月28日高値1480円と上昇。2月18日安値1105円まで調整を挟んで3月11日に上場来高値1540円と買い進まれた後、4月10日安値1102円、16日安値1107円と下げて、下値を確認した感がある。2月13日に同社は、SBI証券及びその子会社であるSBI FXトレード株式会社とポートが運営するインターネットメディア「マネット」に掲載する金融コンテンツの共同開発検討に向けた覚書を締結したと発表済みだが、共同開発の第一弾として、ポートの金融情報メディア「マネットFX」のコンテンツ作成に際し、SBI FXトレードが情報提供ならびに一部記事の監修を行い、共同開発コンテンツとして配信等を予定しており、業容拡大が見込まれる。5月13日に予定される3月期本決算の発表に期待が持てることから、レンジ下限の1100円に接近する場面があれば、買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

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