【編集長の視点】キュービーネットHDは値上げ浸透の月次売上高を見直して3Q決算に期待を高め急反発

キュービーネットホールディングス<6571>(東1)は、前日23日に48円高の2531円と3営業日ぶりに急反発して引け、今年4月18日につけた上場来高値2740円を意識する動きを強めた。同社株は、今年2月1日に国内のカット専門店「QBハウス」全店で値上げを実施、2月、3月の月次売上高が2ケタ増と好調に推移しており、値上げ浸透として10連休明け後の5月14日に発表予定の今2019年6月期第3四半期(2018年7月~2019年3月期、3Q)決算への期待を高め内需株買いが再燃した。テクニカル的にも、25日移動平均線が下から75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)示現して上昇トレンド転換を示唆しているとして買い手掛かりとなっている。

■値上げ後の2月、3月の全店月次売上高は連続の2ケタ増と好調推移

 同社は、昨年8月に店舗運営に必要な人材の確保や店舗スタイリストの安定的な待遇改善を目的に今年2月1日からの値上げを発表した。通常価格を1080円から1200円へ、平日利用の65歳以上の高齢者向けシニア価格を1000円から1100円にそれぞれ引き上げた。なお低価格志向が強い消費環境下、この値上げによる客離れなど月次売上高への影響が懸念されていたが、2月の月次売上高は、全店が前年同月比12.2%増、既存店が同9.6%、3月が同じく12.3%増、9.9%増とそれぞれ推移し、全店売上高は、今年1月までの1ケタ増から2ケタ増へ伸びを拡大、値上げが浸透したことを示唆した。

 このため同社業績への期待も高まっている。今6月期業績は、第1四半期(2018年7月~9月期、1Q)、第2四半期(2018年7月~12月期、2Q)とも売り上げは続伸したものの、利益は、離職率の低下、好調な新規採用、教育研修の強化などで人件費が増加し、新規出店費用も重なり減益となっており、値上げ効果の業績寄与が注目されている。今6月期通期業績は、売り上げ204億600万円(前期比5.8%増)、営業利益19億円(同15.7%増)、税引前利益18億2000万円(同16.6%増)、純利益12億2600万円(同17.7%増)と予想され、純利益は、連続の過去最高更新となるが、5月14日の決算発表とともに3Q業績が、この通期予想業績に対してどのような利益進捗率を示すのか、あるいは6月通期業績の上ぶれ修正があるのかなどがクローズアップされることになる。

■ミニGCに続きGCも示現して上昇トレンド入りし最高値奪回から上値チャレンジ

 株価は、昨年3月に公開価格2250円で新規株式公開され、初値は、公開価格を下回る2115円でつけたが、月次売上高が連続プラスで推移、独自のビジネス・モデルへの見直し人気を強めて2338円高値まで買い直され、昨年12月に世界同時株安に巻き込まれて上場来安値1648円まで調整した。同安値からは、売られ過ぎとして底上げ、2月、3月の月次売上高の好調推移で上場来高値2740円まで66%高した。この急騰とともにテクニカル的にも5日移動平均線が下から25日移動平均線を上抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現し、さらにその25日線が、今度は75日移動平均線を上抜くGCを示現し、75日線自体も上昇転換し上昇トレンド入りを鮮明化した。足元は、史上最長の10連休を前にスピード調整したが、連休明け後の再騰は有望で最高値抜けから一段の上値チャレンジが続こう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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