- Home
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
- ピックルスコーポレーションは上値試す、20年2月期2桁増益予想
ピックルスコーポレーションは上値試す、20年2月期2桁増益予想
- 2019/4/24 05:46
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ピックルスコーポレーション<2925>(東1)は漬物・キムチ製品の最大手である。主力の「ご飯がススム キムチ」ブランド力が向上し、新製品の積極投入、惣菜製品の強化、ECや外食・飲食といった新規領域への展開を推進している。19年2月期は計画超で過去最高を更新した。そして20年2月期も2桁増益予想である。株価は戻り高値圏だ。上値を試す展開を期待したい。
■漬物製品の最大手で「ご飯がススム キムチ」ブランド力向上
漬物・キムチ製品の最大手である。主力の「ご飯がススム キムチ」シリーズのブランド力向上とともに収益力が大幅に向上し、キムチ製品や惣菜製品の開発強化と新製品の積極投入、西日本(近畿・中国・四国・九州)への販売エリア拡大、量販店惣菜売場・ドラッグストア・配食事業など販売先の拡大、ECや外食・飲食といった新規領域への展開を推進している。
19年2月期の品目別売上構成比は製品60.6%(浅漬・キムチ40.4%、惣菜18.2%、ふる漬2.1%)および商品(漬物、調味料、その他)39.4%だった。販路別売上構成比は量販店・問屋等76.5%、コンビニ13.0%、外食・その他10.5%だった。セブン&アイ・ホールディングス<3382>など大手量販店・コンビニが主要取引先である。収益面では原材料の野菜(特に胡瓜と白菜)価格の影響を受けやすい特性がある。
関西地区の生産体制を強化するため17年12月手柄食品(兵庫県姫路市)を子会社化した。また九州地区で事業拡大するためピックルスコーポレーション西日本の佐賀工場が18年4月稼働した。
■ECや外食・小売の新規領域にも展開
新たな販売チャネルとして、ECや外食・飲食といった新規領域への展開も推進している。18年4月、ピーネ12乳酸菌活用した商品のECサイト「ピーネオンラインショップ」と、国産・化学調味料不使用にこだわった漬物のECサイト「八幡屋オンラインショップ」を開設した。19年4月にはピーネ関連製品を製造する新工場が完成(19年6月出荷開始予定)した。
19年2月にはBtoC事業強化に向けて外食・小売事業への参入を発表した。子会社OHを19年3月設立し、グループ商品を活用した外食(レストラン・カフェ)事業および小売(漬物・甘酒・調味料等の販売)事業を行う。埼玉県飯能市に施設を建設し、事業開始は20年春頃を予定している。
なお19年3月には、Lactobacillus plantarum PIC―NBN22の研究成果を発表し、PIC―NBN22とフラクトオリゴ糖含有食品における体脂肪および腸内フローラに及ぼす影響を確認したとしている。
■19年2月期は計画超で過去最高、20年2月期2桁増益予想
19年2月期の連結業績は、売上高が18年2月期比8.1%増の406億70百万円、営業利益が24.6%増の14億09百万円、経常利益が26.6%増の15億61百万円、純利益が5.5%増の9億20百万円だった。配当(3月26日に期末3円増額修正)は3円増配の年間28円(期末一括)とした。5期連続増配で配当性向は19.5%となる。
売上高、利益とも計画超で過去最高を更新した。売上面では、ピックルスコーポレーション西日本・佐賀工場の稼働や手柄食品の子会社化も寄与して、主力の浅漬・キムチが4.0%増収、惣菜が15.6%増収、商品が10.3%増収と伸長した。利益面は増収効果に加えて、野菜価格の安定も寄与して販管費の増加を吸収した。
20年2月期連結業績予想は、売上高が19年2月期比4.5%増の425億13百万円で、営業利益が12.1%増の15億80百万円、経常利益が11.4%増の17億39百万円、純利益が13.0%増の10億40百万円としている。配当予想は19年2月期と同額の年間28円(期末一括)で、予想配当性向は17.2%となる。
キムチ製品の拡販、佐賀工場・手柄食品の収益改善などで販管費増加(物流費、人件費、広告宣伝費)を吸収し、2桁増益予想である。売上高、利益とも過去最高を更新する。品目別売上高の計画は、製品が7.2%増の264億25百万円(浅漬・キムチが4.7%増の171億94百万円、惣菜が13.9%増の84億09百万円、ふる漬が3.9%減の8億21百万円)、商品が0.5%増の160億87百万円としている。好業績が期待される。
■中期的に収益拡大基調
中期目標値には、22年2月期売上高465億41百万円(浅漬・キムチ187億36百万円、惣菜93億円、ふる漬8億55百万円、商品169億円、外食・小売7億50百万円)、営業利益17億77百万円、経常利益19億55百万円、純利益12億48百万円を掲げている。設備投資はピーネ工場、OH施設、中京工場増床、設備更新などで20年2月期からの3年間で合計41億75百万円を計画している。
天候不順による野菜価格高騰がリスク要因だが、中期的に収益拡大基調が期待される。
■株価は上値試す
株価は急反発して戻り高値圏だ。4月10日には2298円まで上伸した。その後は上げ一服の形だが、調整一巡して18年10月の上場来高値2498円を試す展開を期待したい。4月23日の終値は2122円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS162円59銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間28円で算出)は約1.3%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1849円88銭で算出)は約1.1倍、時価総額は約136億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)