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トレジャー・ファクトリーは調整一巡、20年2月期営業・経常利益横ばい予想だが保守的
- 2019/4/24 05:43
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
トレジャー・ファクトリー<3093>(東1)はリユースショップを展開している。19年2月期は計画超の大幅増益だった。20年2月期は営業・経常利益横ばい予想だが保守的だろう。株価は戻り高値圏から反落したが、調整一巡して出直りを期待したい。
■リユースショップを展開
総合リユース業態トレジャー・ファクトリーや服飾専門リユース業態トレファクスタイルを主力とするリユースショップを、首都圏直営店中心に展開している。収益面では第2四半期(6~8月)の構成比が小さい季節特性がある。
19年4月10日時点の店舗数は、グループ合計186店舗(タイの3店舗含むトレジャー・ファクトリー64店舗、トレファクスタイル50店舗、トレファクスポーツ5店舗、ユーズレット5店舗、ブランドコレクト2店舗、トレファクマーケット1店舗、16年9月子会社化したカインドオル39店舗、18年3月子会社化したゴルフキッズ20店舗)である。
18年11月には、千葉県千葉市の幕張エリアに、新たな旗艦店として初の複合店(総合業態トレジャー・ファクトリーにスポーツ・アウトドア業態トレファクスポーツを併設)をオープンした。
中期成長戦略として、既存店強化と新規出店、M&Aの活用、海外事業の拡大、新規事業への投資を推進している。海外は19年春にタイ4号店をオープン予定としている。
新規事業ではECドレスレンタル「Cariru」事業や、トレファク引越+買取サービス事業に注力している。またEC事業の本格展開やビッグデータを活用した新規ビジネスの創出に向けて、19年1月にはシステム開発のデジタルクエストを子会社化した。
■19年2月期大幅増益、20年2月期営業・経常利益横ばい予想だが保守的
19年2月期連結業績は、売上高が18年2月期比7.9%増の177億37百万円、営業利益が45.6%増の9億05百万円、経常利益が42.0%増の9億49百万円、純利益が63.3%増の5億64百万円だった。配当は18年2月期と同額の年間16円(第2四半期末8円、期末8円)で、配当性向は32.1%となる。
増収効果や売上総利益率改善で計画超の大幅増益だった。グループ合計の新規出店は14店舗、移転は2店舗だった。単体ベースの既存店売上は101.1%と堅調だった。連結ベースの売上総利益率は0.2ポイント改善(単体既存店の売上総利益率は0.4ポイント改善)し、販管費比率は1.2ポイント低下した。子会社カインドオルと海外(タイ)の収益改善も寄与した。なお収益性の低下がみられた店舗について減損損失111百万円を計上した。
20年2月期の連結業績予想は、売上高が19年2月期比11.3%増の197億41百万円、営業利益が0.4%増の9億09百万円、経常利益が0.2%減の9億48百万円、純利益が10.8%増の6億26百万円としている。配当予想は19年2月期と同額の年間16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。予想配当性向は28.9%となる。
新規出店は15店舗前後、単体既存店売上は101%を目指し、既存店売上総利益率も19年2月期と同程度を見込むが、物流センター増床や新規出店に伴う費用増加などで営業・経常利益横ばい予想としている。ただし保守的だろう。
月次売上(単体直営店の店舗売上、前年比速報値ベース)を見ると、19年3月は全店108.3%、既存店105.1%だった。既存店売上は7ヶ月連続の前年比プラスだった。新生活需要で生活家電・家具が好調だった。新規出店は2店舗、退店は0店舗で、19年3月末時点の店舗数は124店舗となった。
■株主優待制度は2月末の株主対象
株主優待制度は毎年2月末時点の1単元(100株)以上保有株主を対象に実施している。
■株価は調整一巡
株価は20年2月期業績予想を嫌気する形で戻り高値圏から反落したが、調整一巡して出直りを期待したい。4月23日の終値は719円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS55円32銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は約2.2%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS378円68銭で算出)は約1.9倍、時価総額は約83億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)