ジェイエスエスに割安感、「スイミングスクール単一事業」のため競泳・瀬戸選手などの活躍がブランドに直結する可能性
- 2019/4/25 17:16
- 材料でみる株価
■男子高飛び込みで最年少優勝の玉井選手も所属、東京オリンピックに向けて層が厚く
ジェイエスエス<6074>(JQS)はスイミングスクール運営の大手で、競泳の五輪メダリスト・瀬戸大也選手(ANA/JSS毛呂山)ほかが所属する。2019年3月期の業績見通しは、純利益を3.76億円(前期比3.7%増)、1株利益を93円42銭と想定し、連続して最高更新を見込む。株価は630円前後で推移し、PERは6倍台。フィットネスクラブやスポーツクラブを運営する銘柄のPERは11倍から13倍前後のため割安さが顕著だ。決算発表は例年5月10日頃になり、今期・20年3月期の見通し数字次第では一段と割安さが強まる可能性がある。
■4月の日本選手権で「瀬戸3冠、すべて派遣標準突破」「渡部香生子選手(JSS)が3度目の優勝」などと大活躍
4月に開かれた水泳の日本選手権(第95回日本選手権水泳競技大会など)では、同社のスイミングクラブに所属する競泳陣が大活躍した。まず、競泳では、「女子200メートル平泳ぎは渡部香生子選手(JSS)が2分24秒28で4年ぶり3度目の優勝」(日本経済新聞4月8日付朝刊)と伝えられ、続いて、瀬戸大也選手が「瀬戸3冠、すべて派遣標準突破」(日本経済新聞4月9日付朝刊より)と伝えられた。さらに、男子高飛び込みでは、12歳の玉井陸斗選手(JSS宝塚)が「史上最年少の優勝」(日本経済新聞4月22日付朝刊)と伝えられた。
同社は「スイミングスクール運営事業の単一事業」(決算短信より)であるため、所属選手の活躍はスクールの人気向上とともに業績にも直結する。男子高飛び込みで最年少の優勝となった玉井選手は、「年齢制限により世界選手権に出場できない」(同)というが、株式市場関係者の間では、瀬戸大也選手や渡部香生子選手に続く未来のけん引役として一躍注目されているところだ。東京オリンピックに向けて、彼らの活躍が同スイミングクラブのブランドを一段と輝かせる可能性は濃厚といえそうである。
■2019年3月期は最高益の見込み、今期の業績見込み次第では一段と割安感が強まる可能性
第3四半期までの累計業績(2018年4月~19年12月、連結)は、 売上高が前年同期比0.7%増加した一方、純利益は同11.6%減となった。各地に被害を及ぼした台風や北海道胆振東部地震で一部事業所に被害が出たことなどがあったようだ。ただ、営業に大きな支障はなく、今期・20年3月期の業績見通しは従来予想を継続し、売上高は88.98億円(前期比2.0%の増加)、営業利益は5.83億円(同5.9%の増加)、純利益は3.76億円(同3.7%の増加)、1株利益は93円42銭とした。
株式需給面では、自己株式の取得(自社株買い)を19年2月14日から同年12月20日まで実施中だ。上限は17万株(自己株式を除く発行済株式総数の4.2%)または1.0億円。これを3月末現在で7万3200株(上限株数の43%)取得済みのため、株式価値の向上に対する積極姿勢がうかがえる。(HC)