【編集長の視点】Amaziaは2Q決算発表を先取りして急反発し業績上方修正がフォロー

 Amazia<4424>(東マ)は、平成最後の最終売買日となった4月26日に220円高の3870円と急反発し、同日の東証マザーズ市場の値上がり率ランキングの第5位に躍り出た。同社株は、10連休明け直後の5月10日に今9月期第2四半期(2018年10月~2019年3月期、2Q)累計決算の発表を予定しており、今年2月12日に開示した今期第1四半期(2018年9月~2018年12月期、1Q)決算が、期初予想の2Q累計業績に対して高利益進捗率を示したことを手掛かりに2Q累計業績への期待を高め直近IPO(新規株式公開)買いが再燃した。実際に26日大引け後には、この期待通りに今期2Q累計業績、今9月期通期業績の上方修正を発表しており、10連休明け後に急騰特性を発揮して今年4月15日につけた上場来高値4125円を上抜く青空相場を展開するとの観測が強まっている。


――――今期通期営業利益は3.8倍増益に上方修正もなお保守的で上ぶれ観測――――

 4月26日大引け後に開示した今期業績の上方修正のうち、9月期通期業績は、期初予想より売り上げが5億4600万円、営業利益が5200万円、経常利益が4900万円、純利益が2800万円それぞれ引き上げられ、売り上げ30億2700万円(前期比2.20倍)、営業利益3億円(同3.84倍)、経常利益2億8300万円(同3.67倍)、純利益2億1000万円(同2.23倍)と増益率を大きく伸ばし過去最高を連続更新する。基本サービスをすべて無料で提供し一部有料のフリーミアム型マンガアプリ「マンガBANG!」の月間アクティブユーザー数(MAU)が、人気作品の配信により当初予想を上回り、広告収益と課金収益がともに増加し、継続的な人気作品の配信などでユーザーの決済率が高まりさらに課金収益が増加したことが要因となった。

 ただこの通期上方修正値も、なお保守的との見方が市場で強まっている。というのも、同社の今期1Q業績は、利益が期初予想の2Q累計業績に対して87%~71%の進捗率と目安の50%を上回って着地し、その2Q累計業績を上方修正したが、2Q累計業績の上方修正幅が、9月期通期業績の増額幅を3600万円~2500万円も上回っているためだ。これは、下期に版権料率の高い大手出版社との取引拡大を目指し、さらなる知名度向上のために広告宣伝費用、業容拡大に向け採用増・人件費の先行投資を行うため上方修正幅を慎重に見積もったものだが、この先行投資負担は、2Q累計業績と同様に吸収可能とみているからである。

――――スピード調整が一巡示唆の「陽線包み足」を示現し最高値抜けから上値チャレンジ――――

 株価は、昨年12月20日に1320円を公開価格にIPOされ1756円で初値をつけ2078円まで買い進まれたが、世界同時株安の影響で上場来安値1355円まで調整した。同安値は、公開価格直前で売られ過ぎとして底上げ、今期1Qの好決算などを手掛かりに再三のストップ高を交えて上場来高値4125円まで3.0倍の大化けを演じ、IPO株の投資鉄則の「小さく産んで大きく育てる」株価展開となりスピード調整場面となった。26日の急反発では、テクニカル的にスピード調整一巡を示唆する「陽線包み足」も示現しており、最高値抜けから上値チャレンジが続こう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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