【新規上場(IPO)銘柄】Welbyは5月中旬に第1四半期決算を発表、PHRプラットフォームは高い成長続く

株式市場 IPO 鐘

Welby(ウェルビー)<4438>(東マ)は、本年3月29日に東京証券取引所マザーズに上場した。同社は、「Empower the Patients」を事業ミッションとしてかかげ、昨今の医療を取り巻く環境や、市民の意識の変化を受け止めて、「患者・家族が自己管理をする」ツールを医療者が後押しすることで、患者の治療や重症化予防の一助に少しでもなればとの思いでスタート。同社は、患者、医師をはじめとする医療関係者、医療業界を取り巻く製薬企業や、機器メーカー、自治体等のプレーヤーと共同でサービスの開発・運営を行っている。

 具体的には、製薬企業からの依頼によるPHRプラットフォームの開発である「疾患ソリューションサービス」では、同社が、生活習慣病領域、がん及び特定慢性疾患領域において、製薬企業からの依頼を受けて、主に新薬の上市に伴う医薬品の適正使用促進と疾患啓発のために、当該疾患 に関わる医療従事者や患者からの意見を聞きながら、当該疾患領域の患者及び医療従事者向けに、疾患治療における自己管理や治療継続を支援、また、医療機関との連携を促進するためのPHRプラットフォームサービスを開発・運営している。現在、既存のPHRプラットフォームの改善に加え、皮膚領域、自己免疫疾患(リウマチ)領域、希少疾患領域等慢性疾患分野におけるPHRプラットフォームサービスの新規提供、及びがん領域でのサービス企画の開始等により、事業基盤の強化に向け注力している。

 「Welbyマイカルテサービス」では、自治体の住民や一般企業の従業員の生活習慣病重症化予防ツールとしての利用課金、機器メーカー、検査会社等医療周辺企業への月額利用料課金、及び医療機関 への利用課金等によって構成されている。現在、医療機関における検査値データの連携を強化し、企業の従業員向けの生活習慣病重症化予防プラットフォームとして、デジタルガレージと共に生活習慣病の重症化予防として、ユーザーの食事に対するAI指導について研究を開始している。

 今2019年12月期第2四半期業績予想は、売上高2億0600万円、営業損益1億8500万円の赤字、経常損益2億0100万円の赤字、最終損益2億0100万円の赤字を見込む。

 今19年12月期業績予想は、売上高10億2900万円(前期比34.2%増)、営業利益2億円(同28.7%増)、経常利益1億8400万円(同19.9%増)、純利益1億5600万円(同11.4% 減)を見込む。上場で調達した資金は、アプリの開発費や人材獲得に充当する計画で、年間配当は無配を予定している。

 株価は、上場2日目の4月1日に公開価格5200円の3.5倍の1万8030円で初値をつけ、同2日に上場来高値1万8820円と上昇。4月10日に上場来安値1万5000円と換金売りに押された後、1万6000円前後でモミ合っている。生活習慣病やがん、特定慢性疾患の治療に対する関心は高く、PHRの普及により患者の日々の健康水準の向上が期待され、医療費の適正効果は2017年の385億円(PHRサービスの普及率6.7%程度)に対し、普及率が100%に達した場合は、約2兆円の経済効果が見込める(野村総合研究所の試算)としており、主力サービスのPHRプラットフォームの成長が続くと期待される。5月中旬に予定される今12月期第1四半期決算が計画通りに進捗していれば、再度高値を目指すと予想する。(株式評論家・信濃川)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■全従業員にAI活用徹底、業務改革を本格化  LINEヤフー<4689>(東証プライム)は7月14…
  2. ■50年以上親しまれたかぜ薬が国内市場から姿を消す?  大正製薬は7月14日、塗るかぜ薬「ヴイック…
  3. ■鈴鹿8耐で新型CBコンセプト登場  ホンダ<7267>(東証プライム)は7月11日、大型ロードス…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■01銘柄:往年の主力株が再評価、低PER・PBRで買い候補に  今週の当コラムでは、買い遅れカバ…
  2. ■日米同時最高値への買い遅れは「TOPIXコア30」と「01銘柄」の出遅れ株でカバー  日米同時最…
  3. ■東京株、NYダウ反落と首相辞任で先行き不透明  東京株式市場は米国雇用統計の弱含みでNYダウが反…
  4. ■株式分割銘柄:62社に拡大、投資単位引き下げで流動性向上  選り取り見取りで目移りがしそうだ。今…
  5. ■金先物相場を背景に産金株が収益拡大の余地を示す  東京市場では金価格の上昇を背景に産金株が年初来…
  6. ■大統領の交渉術が金融市場を左右し投資家心理に波及  米国のトランプ大統領は、ギリシャ神話に登場す…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る