- Home
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
- 巴工業は調整一巡、19年10月期微減益予想だが上振れ余地
巴工業は調整一巡、19年10月期微減益予想だが上振れ余地
- 2019/5/8 06:19
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
巴工業<6309>(東1)は機械製造販売事業と化学工業製品販売事業を展開している。19年10月微減益予想だが上振れ余地がありそうだ。株価は06年来の3月高値圏から一旦反落したが、調整一巡して上値を試す展開を期待したい。
■機械製造販売事業と化学工業製品販売事業を展開
遠心分離機械を中心とする機械製造販売事業、合成樹脂や化学工業薬品などを中心とする化学工業製品販売事業を展開している。
18年10月期のセグメント別売上構成比は機械製造販売事業26%、化学工業製品販売事業74%、営業利益構成比は機械製造販売事業25%、化学工業製品販売事業75%だった。また地域別売上構成比は日本80%、アジア17%、その他3%だった。
収益面では、機械製造販売事業が設備投資関連のため、第2四半期(2月~4月)および第4四半期(8月~10月)の構成比が高くなりやすい特性がある。
■19年10月期微減益予想だが上振れ余地
19年10月期の連結業績予想は、売上高が18年10月期比4.6%増の443億円、営業利益が3.3%減の23億円、経常利益が1.5%減の23億円、純利益が0.9%減の15億円としている。配当予想は18年10月期と同額の年間47円(第2四半期末23円50銭、期末23円50銭)で、予想配当性向は31.3%となる。
第1四半期は、売上高が前年同期比6.8%増の101億60百万円、営業利益が57.4%増の5億87百万円、経常利益が58.7%増の5億94百万円、純利益が54.6%増の3億90百万円だった。化学工業製品が電子材料分野の減収などで9.6%減益だったが、機械製造が収益性の良い部品・修理の増収および海外向け機械の増収で黒字化した。
通期ベースでは、機械製造は売上高が5.6%増の118億円と順調だが営業利益が販管費増加で10.7%減の5億30百万円、化学工業製品は売上高が4.2%増の325億円と順調だが営業利益が販管費増加で0.8%減の17億70百万円の見込みとしている。ただし保守的だろう。第1四半期の進捗率は順調であり、通期予想に上振れ余地がありそうだ。
■株主優待制度は10月末の株主対象
株主優待制度は、毎年10月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して、ワイン(当社関連会社取扱商品)1本を贈呈する。
■株価は調整一巡
株価は06年来の3月高値2570円から一旦反落したが、調整一巡して上値を試す展開を期待したい。5月7日の終値は2405円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS150円33銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想年間47円で算出)は約2.0%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2793円69銭で算出)は約0.9倍、時価総額は約253億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)